血糖値の急上昇を防ぐ食事や方法とは?〜栄養士のColumn Vol.152
「血糖値が高い」と聞くと、糖尿病の方だけの話だと思われがちです。
しかし実は、健康診断の数値が正常でも注意が必要だということをご存じでしょうか。
東北大学病院などの研究によると、糖質摂取から1時間後の血糖値が170mg/dLを超える人は、20年後の死亡リスクが約2倍になる可能性が示されています。
つまり、空腹時血糖値が正常であっても、食後に血糖値が急上昇している場合がある。 これがいわゆる 「隠れ血糖スパイク」 です。

なぜ血糖値の急上昇が問題なのか
食後に血糖値が急激に上がると、体はそれを下げようとして膵臓から大量のインスリンを分泌します。すると血糖値は短時間で急上昇・急降下を繰り返し、ジェットコースターのような血糖曲線を描きます。
この乱高下が続くことで、
• 動脈硬化が進みやすくなる
• 疲れやすく、眠気が出やすい
• 脂肪が蓄積しやすくなる
• 老化スピードが早まる
といった影響が、少しずつ体に蓄積していきます。
つまり重要なのは、血糖値の「高さ」そのものよりも、「上がり方」。この上がり方が、将来の健康寿命を左右すると言えるのです。

食べ方を変えるだけで、血糖値は穏やかになる
血糖値の乱高下は、毎日の小さな習慣の積み重ねで起こります。
そして同じように、食べ方を少し工夫するだけで、穏やかな曲線に変えることも可能です。
特別なサプリメントや厳しい食事制限は必要ありません。今日から食卓で意識できることが、いくつもあります。
1.食べる順番を変えるだけで血糖値が緩やかに
まず取り入れやすいのが、食べる順番です。
① 野菜 → ② タンパク質 → ③ 炭水化物
この順番で食べるだけで、血糖値の上昇は緩やかになります。
野菜に含まれる食物繊維が“フィルター”の役割を果たし、糖の吸収スピードを抑えてくれるためです。
難しい栄養計算よりも、まずは「何から食べるか」を意識することが、最も続けやすい習慣です。
2.よく噛むだけで、血糖値は変わる
血糖値のコントロールには、食べるスピードも深く関係しています。
• 一口を小さくする
• 20〜30回を目安によく噛む
• 早食いを避ける
こうした工夫により満腹中枢が適切に働き、インスリンの急な分泌を防ぐことができます。
「丁寧に食べる」という昔ながらの習慣は、実はとても理にかなった方法なのです。

注目される「プリロード」という考え方
近年、栄養学で注目されているのが 「プリロード(食前摂取)」 という考え方です。
食事の前に特定の食品を少量摂ることで、食後血糖値の上昇を抑える方法です。
特に効果が期待されているのが、植物性プロテインや豆乳。
植物性プロテインには良質なタンパク質や機能性成分が含まれており、胃腸の動きを穏やかにし、糖の吸収スピードを抑えることがわかっています。
例えば、食事の15〜20分前に植物性プロテインを一杯。
それだけでも血糖値のピークが下がる可能性があります。
「野菜から食べるのが難しい」「外食やコンビニが多い」そんな方にも取り入れやすい方法です。

食後の“10分歩き”は、想像以上に効果的
食後の軽い運動は、血糖値を下げる働きを持っています。
特におすすめなのが、食後10〜15分のウォーキング。
階段を使う、少し遠回りして帰るなど、軽い動きでも十分です。忙しい日こそ、移動を「運動のチャンス」に変えてみましょう。

血糖値は「毎日の選択」で守れる
血糖値の急上昇を防ぐために、難しいことは必要ありません。
• 食べる順番を工夫する
• 食前に植物性プロテインを取り入れる
• よく噛んで、ゆっくり食べる
• 食後に少し歩く
この小さな積み重ねが、将来の健康リスクを大きく左右します。
東北大学の研究が示す「食後1時間170mg/dLの壁」 は、私たちの暮らしを見直す大切なヒントです。
血糖値は、日々の食べ方と向き合うことで、自分自身で守ることができます。
そしてその積み重ねは、集中力や疲労感、睡眠の質、体重管理といった「今日の体調」 にも、静かに、しかし確実に影響していきます。
未来の健康は、今の一口から。
忙しい毎日の中でも、「少しだけ意識する」という小さな選択が、あなたの健康寿命を大きく伸ばす力になります。積み重ねが、これからの毎日をより軽やかで心地よいものにしてくれることを願っています。
食前のプリロードとして植物性プロテインを取り入れるなら、素材のシンプルさや、甘さに頼らない設計も重要なポイント。
GRØNは、植物性素材のみを使用し、余計なものを加えず、毎日の食事に自然と馴染むことを大切にしています。
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栄養士・食育指導士・食の6次産業化プロデューサーlevel4
石原綾子
ヘルスケア分野での栄養指導、アグリビジネスのプロフェッショナル。
ミスワールド日本候補生に向けた講演会など、美や健康に特化した分野をフィールドに様々な活動を行なっている。
「食を通して心と身体を豊かにし、人と地域がつながる生き生きとした社会を実現する」を理念に掲げ2013年に、株式会社アイ・フィールドを設立、代表を務める。
各地域で野外レストランを開催する「DINING OUT」の食材TEAMや、ファッションブランドのプロジェクトに中心メンバーとして参画。
また、地域食材のPR、「健康」や「美容」に特化した商品開発プロデュース、ブランディング、コンセプト設計、食品衛生、販売促進プロモーション、研修企画運営等に携わっている。GRØNの商品開発では栄養面での監修を担当。消費者の健康に、より効果的に取り入れる方法を提案している。
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