「熱疲労」とは?熱中症の10倍危険とされるその理由 〜栄養士のColumn Vol.122
秋の気配が感じられるこの時期ですが、今年の夏は特に暑さが厳しかったですね。
ここ数年、夏の暑さが増しており、「熱中症」への警戒が広がっています。
しかし、より深刻な問題として「熱疲労」が注目されています。実はこの熱疲労、夏だけでなく秋にも発生することがあります。
特に、夏の暑さが残る秋の初めや、急激な気温の変化に体が順応できない時には特に注意が必要です。
「熱中症の10倍危険」とも言われる熱疲労のリスクについて、詳しく見ていきましょう。
熱疲労とは?
熱疲労は、長時間の暑さによって体温調節機能が低下し、体内の水分や塩分が不足する状態を指します。
熱疲労が進行すると、体温が正常に調整できなくなり、内臓が過度に温められることで、生命に関わるリスクが高まります。
熱疲労の初期症状には、だるさ、めまい、頭痛、筋肉のこわばりや痙攣、発熱、異常な発汗、または汗が出なくなるなどの症状があります。
熱疲労が引き起こす主な影響
▼ 循環器系への負担
体が熱を逃がそうとすると、心臓が血液を皮膚に送り込むためにより多くのエネルギーを消費します。
これが長時間続くと心臓に大きな負担がかかり、心不全や心筋梗塞などの重篤な症状を引き起こすリスクが高まります。
▼ 呼吸器への影響
暑さで体温が上昇すると、呼吸が浅く速くなり、酸素供給が不足することがあります。
特に呼吸器に問題がある人は、熱疲労によって呼吸困難が悪化する可能性があります。
▼ 腎臓や他の臓器への影響
大量の汗によって水分や電解質が失われると、腎臓の機能が低下します。
さらに、血流の不安定さが他の臓器の機能にも影響を与え、最悪の場合、臓器不全に至ることもあります。
なぜ「熱中症の10倍危険」と言われるのか?
▼ 気づきにくい症状
初期の熱疲労は、単なる疲れや頭の重さ、軽い吐き気などで現れるため、自分で気づかないことが多いです。
症状が進行しても、日常的な疲労と区別が難しいため、深刻化するまで見過ごされやすい点が危険です。
▼ 急速な進行
熱疲労は放置すると短期間で熱中症や熱射病に進行するリスクがあります。
特に高齢者や持病を持つ人は、体温調整機能が低下しているため、急速に悪化することがあります。
▼ 意識障害や臓器障害のリスク
放置すると、熱疲労は脳や他の重要な臓器にダメージを与え、重篤化すると意識障害やけいれん、さらには臓器不全を引き起こし、最悪の場合、命に関わる状態に至る可能性があります。
熱疲労を防ぐための3つのポイント
では危険な熱疲労を予防するためにはどうすればよいでしょうか。
最低限注意したいポイントは下記の3つになります。
▼ 適切な水分補給
水分と電解質を定期的に補給することで、内臓を守りましょう。
▼ 涼しい場所で休む
体温を下げ、内臓への負担を軽減するために、涼しい場所でこまめに休息を取ることが大切です。
▼ 体調管理の徹底
特に心臓や呼吸器に問題がある人は、体調の変化を感じたら早めに医師に相談することが重要です。
熱疲労は、外見上軽く見えても、内臓に深刻な影響を与える可能性が高いため、暑さが続く季節や季節の変わり目など、忘れずに適切な予防と対策を取ることが重要です。自覚しにくい初期症状を見逃さないよう注意して過ごしましょう。
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栄養士・食育指導士・食の6次産業化プロデューサーlevel4
石原綾子
ヘルスケア分野での栄養指導、アグリビジネスのプロフェッショナル。 ミスワールド日本候補生に向けた講演会など、美や健康に特化した分野をフィールドに様々な活動を行なっている。
「食を通して心と身体を豊かにし、人と地域がつながる生き生きとした社会を実現する」を理念に掲げ2013年に、株式会社アイ・フィールドを設立、代表を務める。
各地域で野外レストランを開催する「DINING OUT」の食材TEAMや、ファッションブランドのプロジェクトに中心メンバーとして参画。
また、地域食材のPR、「健康」や「美容」に特化した商品開発プロデュース、ブランディング、コンセプト設計、食品衛生、販売促進プロモーション、研修企画運営等に携わっている。GRØNの商品開発では栄養面での監修を担当。消費者の健康に、より効果的に取り入れる方法を提案している。
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