むくみの原因と予防方法 〜栄養士のColumn Vol.114
朝起きたときに顔が腫れぼったく感じたり、長時間の立ち仕事や座り仕事の後に足が重く感じたりすることはありませんか？
多くの方が日常的に経験するであろう「むくみ」について書きたいと思います。
むくみとは
人の体は約60％が水分で構成されており、細胞や血管の中を循環して体内の水分バランスを保ちながら、細胞に栄養を送ったり老廃物を除去する役割を担っています。
しかし、このバランスが崩れて、細胞と細胞の間に水がたまり、異常に増加したのが「むくみ」です。
医学用語では浮腫（ふしゅ）と呼ばれます。
むくみは、顔、足、手など、体の末端部に現れることが多いのですが、全身に現れることもあります。
むくみの主な症状は、皮下に弾力性のある腫れ、体重増加、だるさ、痛みなどがあります。
むくみを予防するポイント
むくみの原因はさまざまですが、主に塩分の摂り過ぎ、運動不足、ホルモンバランスの乱れなどが挙げられます。
事前に予防したり、症状を軽くすることもできるので、むくみが気になる方は下記の方法を試してみてください。
塩分の摂取量を控える
塩は体内の水分バランスや神経、筋肉の働きを正常に保ち、胃酸の分泌を促し、消化を促進する役割があります。
ただし、塩分の過剰摂取は、むくみの大きな原因の一つとなります。
厚生労働省が推奨する1日の塩分摂取量は、男性で6.5g、女性で5gです。
これは、小さじ約1杯分の塩分に相当します。
塩分の摂取量を減らすためには、以下の点に意識してみてください。
外食の料理は、塩分が多めに使われていることが多いので、自炊することで塩分の量を調整することができます。
塩分を控えめにした調味料を使う、だしや香味野菜を活用するなど、調味料の使い方を見直しましょう。
ナトリウム含有量が少なく、カリウム含有量が多い、カルシウムやマグネシウムなどのミネラルがバランス良く含まれている塩を選びましょう。
裏面ラベルをチェックしましょう。
これらの塩は、ナトリウム含有量が少なく、カリウムやマグネシウムなどのミネラルが豊富に含まれています。
塩は上手に摂取することで、健康維持に役立てることができます。
塩分の摂り過ぎに注意しながら、自分に合った塩を選んでみましょう。
水分をこまめに摂取する
水分不足は、血液やリンパ液の流れを悪くし、むくみの原因となります。
1日を通してこまめに水分補給をすることが大切です。
喉が渇いていなくても、意識的に水分を摂取しましょう。
水や麦茶だけでなく、ハーブティーやミネラルウォーターなどもおすすめです。
むくみ解消に効果的なカリウム豊富な食品を意識して
カリウムは、ナトリウムの排泄を促進する働きがあり、むくみの解消に効果的な栄養素です。
カリウムを多く含む食品を積極的に摂取することで、体内の余分な水分を排出することができます。
・食品：バナナ、アボカド、ほうれん草、にんじん、芋類、大豆、昆布、ひじき 等
運動を取り入れる
運動不足は、血行不良を招き、むくみを引き起こします。
ウォーキング、ジョギング、ヨガ、ストレッチなど、自分に合った運動を習慣的に行いましょう。
運動習慣がない場合は、まずは短い時間から始めて、徐々に時間を延ばしていくことがおすすめです。
マッサージをする
マッサージは、血行を促進し、むくみの解消に効果的です。
特に、むくみやすい足首やふくらはぎを重点的にマッサージしましょう。
親指を使ってゆっくりと押し上げるようにマッサージしたり、専用のマッサージ器を使用するのもおすすめです。
十分な睡眠をとる
睡眠不足は、ホルモンバランスを乱し、むくみの原因となります。
毎日6～8時間程度の睡眠を心がけましょう。
寝る前のスマホやパソコンの使用は控え、リラックスできる環境を整えてから眠りにつくことが大切です。
むくみは多くの人が日常的に直面する問題ですが、正しい知識と対策を知ることで、快適な生活を送ることができます。
適度な運動、バランスの取れた食事、十分な水分摂取を心がけることで、むくみを予防して解消することが可能です。
また、むくみが長期間続いたり、他の症状を伴う場合は、早めに専門医に相談することが重要です。
自分自身の体と向き合い、適切なケアを行うことで、むくみのない快適な日々を手に入れましょう。
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栄養士・食育指導士・食の6次産業化プロデューサーlevel４
石原綾子
ヘルスケア分野での栄養指導、アグリビジネスのプロフェッショナル。
ミスワールド日本候補生に向けた講演会など、美や健康に特化した分野をフィールドに様々な活動を行なっている。
「食を通して心と身体を豊かにし、人と地域がつながる生き生きとした社会を実現する」を理念に掲げ2013年に、株式会社アイ・フィールドを設立、代表を務める。
各地域で野外レストランを開催する「DINING OUT」の食材TEAMや、ファッションブランドのプロジェクトに中心メンバーとして参画。
また、地域食材のPR、「健康」や「美容」に特化した商品開発プロデュース、ブランディング、コンセプト設計、食品衛生、販売促進プロモーション、研修企画運営等に携わっている。GRØNの商品開発では栄養面での監修を担当。消費者の健康に、より効果的に取り入れる方法を提案している。
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