脂質は「量より質」の時代へ。身体を整える「脂質デザイン」のすすめ〜栄養士のColumn Vol.156
「脂質」という言葉を聞いて、あなたは何を連想しますか?
「太りそう」「カロリーが高い」「控えたほうがいい」。そんなネガティブなイメージが、これまでは一般的でした。
しかし、栄養学の進化とともに、その常識は劇的な変化を遂げています。
いま私たちが向き合うべき事実は、脂質は “量”よりも“質”が健康の命運を分けるということです 。
脂質は私たちの細胞膜やホルモン、そして脳の約60%を構成する重要な「材料」です 。
質の悪い材料で家を建てれば脆くなるように、質の悪い脂質を摂り続けることは、体の土台を揺るがすことに直結します 。

世界が「トランス脂肪酸」にNOを突きつける理由
現在、脂質を取り巻く国際基準は、この10年で最も大きな転換期にあります。
世界保健機関(WHO)は「2025年までに食品からトランス脂肪酸を排除する」目標を掲げ、すでに80カ国以上が規制を導入しています 。
トランス脂肪酸は、油を高温加工する過程で生まれる人工的な脂質。マーガリンやショートニング、ファストフードの揚げ油などに潜んでいます 。
これらが避けられるべき理由は、科学的にリスクが明確になったからです。
- 血管の健康を損なう: LDL(悪玉)を上げ、HDL(善玉)を下げて動脈硬化を促進します 。
- 負のサイクル: 全身の炎症を引き起こし、心血管疾患のリスクを増大させます 。
「日本人の摂取量は欧米に比べて少ないから大丈夫」という声もあります。しかし、私たちの生活スタイルはどうでしょうか。
日常的にパンや焼き菓子、スイーツを食べていませんか?
カフェや外食で、安価な揚げ油を使った食事に頼っていませんか?
忙しさゆえに、市販の惣菜やファストフードを利用する頻度が増えていませんか?
知らずに摂取している可能性が低くありません 。
特に日本人はリスクの高い「小型LDL」が増えやすい体質とも言われており、自ら「選ぶ力」を持つことが自分と家族を守る武器になります 。
▼ 参照コラム
LDLコレステロールは「量より質」?40代女性が知っておきたい数値改善の食事と生活習慣〜栄養士のColumn Vol.155

脂質の質を整える「3つの鍵」 炎症をコントロールする
健康な体づくりにおいて、脂質のバランスは「炎症を抑える」ための重要なスイッチです 。
現代人の多くは、知らず知らずのうちに体内で小さな火事(炎症)が起きやすい状態にあります 。これを整えるために知っておきたいのが、以下の3つの役割です。
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オメガ3「体内の火事を消す、ブレーキの油」
(青魚・えごま油・くるみ)
現代人に最も不足している「守りの油」です 。炎症を抑え、血管や脳の健康を支えます 。熱に弱いため、ドレッシングや納豆、スープの仕上げに「生のまま」回しかけるのが理想的です 。
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オメガ9「酸化に強く、血管を守るメインの油」
(オリーブオイル・アボカド)
他の油に比べて酸化に強く、悪玉コレステロールを上がりにくくする性質があります 。加熱調理に向いており、キッチンのメイン油として推奨されます 。
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オメガ6「必要だけど、増えすぎると火種になる油」
(サラダ油・加工食品・揚げ物)
生きていくために不可欠な脂質ですが、現代食では過剰になりがちです 。増えすぎると体内の炎症を招くため、意識して「控える」ことでバランスが整います 。
現代の不調の多くは、「オメガ3(消火)」と「オメガ6(点火)」のシーソーが、オメガ6側に傾きすぎていることから起こります 。
完璧にカットするのではなく、「オメガ6を減らし、オメガ3を足す」。このシンプルな意識が、未来の細胞の質を変えていきます 。

「良い油」が心と体にもたらす変化
食べる油を変えるだけで、「驚くほど体調が変わった」という声を多く耳にします。
脂質はホルモンや細胞の働きに直結するため、変化は全身に現れます 。
- 体感: 朝起きた時の重だるさが軽減する 。
- 見た目: 肌の乾燥が落ち着き、自然なツヤが生まれる 。
- 心: 脳の伝達がスムーズになり、気分のムラやイライラが減る 。
- 女性特有の悩み: PMSや更年期の症状が和らぐ 。
特に40代以降、ホルモンバランスが揺らぐ時期において、脂質の選択は「日々の心地よさ」を左右する決定打となります 。
今日からできる「脂質デザイン」の習慣
完璧を目指す必要はありません。大切なのは「知って、選ぶ」ことです 。
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原材料表示を見る
「植物油脂」「ショートニング」「マーガリン」が含まれるものを少しずつ減らします 。 -
揚げ油をアップデート
家ではオリーブオイルや米油を使い、外食では揚げたて以外を避けます 。
ノンフライヤーなどの調理家電を活用してみるのもよいです。 -
オメガ3を生で摂る
えごま油や亜麻仁油を、仕上げにひと回しかける贅沢を 。 -
素材そのものから摂る
ナッツ、アボカド、オリーブなど、自然に近い形で脂質を摂り入れます 。
これからの脂質選びは、自分の健康をクリエイティブにデザインする行為です 。
その小さな選択の積み重ねが、10年後のあなたの血管、肌、そして脳の健康を決めていきます 。

脂質の質を整えるとともに、その土台となる「たんぱく質」の質にもこだわりませんか?
植物性プロテインのGRØNは、厳選された植物性原料を使用し、体内の炎症ケアに役立つスーパーフードも配合。良質な脂質を含むナッツやアボカドとの相性も抜群です。毎日の「脂質デザイン」と一緒に、GRØNで健やかな細胞の材料を補いましょう。
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栄養士・食育指導士・食の6次産業化プロデューサーlevel4
石原綾子
ヘルスケア分野での栄養指導、アグリビジネスのプロフェッショナル。
ミスワールド日本候補生に向けた講演会など、美や健康に特化した分野をフィールドに様々な活動を行なっている。
「食を通して心と身体を豊かにし、人と地域がつながる生き生きとした社会を実現する」を理念に掲げ2013年に、株式会社アイ・フィールドを設立、代表を務める。
各地域で野外レストランを開催する「DINING OUT」の食材TEAMや、ファッションブランドのプロジェクトに中心メンバーとして参画。
また、地域食材のPR、「健康」や「美容」に特化した商品開発プロデュース、ブランディング、コンセプト設計、食品衛生、販売促進プロモーション、研修企画運営等に携わっている。GRØNの商品開発では栄養面での監修を担当。消費者の健康に、より効果的に取り入れる方法を提案している。
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