糖質との上手な付き合い方〜栄養士のColumn Vol.163
近年、健康や美容への関心の高まりとともに、「糖質制限」がひとつのトレンドとなっています。
その一方で、「糖質=太るもの」「糖質=控えるべきもの」というイメージを持つ人も少なくありません。
しかし本来、糖質は私たちの身体と心を支える重要なエネルギー源です。脳や筋肉が働くためにも欠かせない栄養素であり、毎日を健やかに過ごすために必要な存在でもあります。
大切なのは糖質を極端に避けることではなく、「どのような糖質を、どのように取り入れるか」という視点を持つこと。
忙しい毎日のなかでも、自分の身体をいたわりながら、美しく健やかな暮らしを続けるために。
今回は、糖質との上手な付き合い方について考えてみましょう。

糖質は身体を動かす大切なエネルギー源
私たちの身体は、食事から摂取した糖質をエネルギーとして利用しています。なかでも脳は多くのエネルギーを必要とするため、適切な糖質補給は集中力や思考力、気分の安定にも関わっています。
一方で、極端な糖質制限を続けると、身体は別のエネルギー源を利用する代謝状態へ移行します。その過程で、疲れやすさや集中力の低下、肌のコンディションの乱れなどを感じる人もいます。
健康的なライフスタイルに必要なのは、「糖質を抜くこと」ではなく、「良質な糖質を上手に活用すること」です。
身体に必要な栄養を必要な量だけ取り入れる。そのシンプルな考え方こそが、無理のないウェルネスへの近道なのかもしれません。

糖質の種類によって身体への働き方は異なる
糖質と一言で言っても、その種類はさまざまです。
代表的なものが、米やパンなどの主食に含まれるブドウ糖と、果物やはちみつに含まれる果糖です。
この二つは、体内で利用される過程に違いがあります。
ブドウ糖は全身の細胞で利用される主要なエネルギー源であり、果糖は主に肝臓で代謝されるという特徴があります。
運動時や活動量が多い場面では、ブドウ糖と果糖をバランスよく摂ることで効率的なエネルギー補給につながるとされています。
さらに意識したいのが、「何から糖質を摂るか」という視点です。
例えば、果物に含まれる果糖は、食物繊維や水分とともに摂取されるため、比較的ゆるやかに吸収されます。
一方で、フルーツ系のジュースやスポーツドリンク、清涼飲料水などに含まれる糖類は液体のため吸収が速く、短時間で多くの糖質を摂取しやすいという特徴があります。
特に加工食品や飲料によく使われる果糖ブドウ糖液糖は、手軽に摂取できる反面、知らないうちに糖類の摂取量が増えやすい食品成分のひとつです。果糖は主に肝臓で代謝されるため、糖類を含む飲料を習慣的に多く飲む食生活は、見直したいポイントといえるでしょう。
その点、果物には食物繊維やビタミン、ミネラル、水分などが含まれており、栄養素をまとめて摂取できるメリットがあります。
同じ「甘さ」であっても、その背景にある栄養価は大きく異なります。
糖質を選ぶ際は、「どれだけ摂るか」だけでなく、「どのような形で摂るか」「どこから摂るか」にも意識を向けてみましょう。

糖質代謝を支えるビタミン・ミネラルの働き
糖質を効率よくエネルギーへ変えるためには、ビタミンやミネラルの存在が欠かせません。
良質な糖質を摂取していても、それを活用するための栄養素が不足していると、身体は十分にエネルギーを生み出せなくなる可能性があります。
例えば、以下のような栄養素が糖質代謝に関わっています。
- マグネシウム:糖を細胞へ取り込む働きをサポート
- 亜鉛:インスリンの合成に関与
- ビタミンB1:糖質代謝を支える重要な栄養素
- ビタミンD:身体全体のコンディション維持に関与
- クロム:糖代謝をサポートするミネラル
現代人はストレスや生活習慣の変化によって、こうした微量栄養素が不足しやすいといわれています。
糖質を効率よく活用できる身体づくりのためにも、野菜や海藻、豆類、ナッツ類などを日常的に取り入れ、栄養の土台を整えていきましょう。

毎日の甘さを見直してみる
甘いものが好きな人にとって、「甘さを我慢すること」は大きなストレスになりがちです。だからこそ、甘味料の選び方に少し意識を向けてみるのもおすすめです。
例えば、北海道で育ったてん菜(サトウダイコン)から作られるてん菜含蜜糖は、精製度の高い白砂糖と比べて、てん菜由来の成分を含んでいることが特徴です。
てん菜含蜜糖にはオリゴ糖やミネラルが含まれており、自然な甘みを楽しめます。
オリゴ糖は善玉菌のエサになる成分として知られ、腸内環境を意識する人からも注目されています。
コーヒーや紅茶に加えたり、お菓子づくりに活用したり。毎日の小さな選択が、心地よい食習慣づくりにつながります。

糖質は「制限するもの」から「選ぶもの」へ
ウェルネスとは、何かを我慢し続けることではありません。
身体に必要なものを知り、自分に合った形で取り入れること。そして、毎日の食事を楽しみながら健やかに暮らしていくことです。
糖質もまた、正しく選び、上手に活用することで、私たちの身体と心を支える大切な味方になります。
果物や発酵食品を取り入れたり、てん菜含蜜糖のような自然由来の甘味を選んだり、糖質代謝を支えるビタミンやミネラルを意識したり。そんな小さな積み重ねが、未来のコンディションにつながっていきます。
「糖質は控えるもの」から、「糖質は選ぶもの」へ。
日々の食卓に少しだけ新しい視点を取り入れて、自分らしく心地よいライフスタイルを育んでみませんか。
GRØNでは、「糖質を制限する」のではなく、「どんな糖質を選ぶか」を大切にしています。
甘酒や北海道産てん菜、沖縄産の黒糖などを使用しながらも、甘さはあくまで控えめ。植物素材本来のおいしさを引き立てる設計を目指しています。
糖質との付き合い方を見直す第一歩として、まずは28日間。
毎日の栄養習慣に、植物の恵みを取り入れてみませんか。
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栄養士・食育指導士・食の6次産業化プロデューサーlevel4
石原綾子
ヘルスケア分野での栄養指導、アグリビジネスのプロフェッショナル。
ミスワールド日本候補生に向けた講演会など、美や健康に特化した分野をフィールドに様々な活動を行なっている。
「食を通して心と身体を豊かにし、人と地域がつながる生き生きとした社会を実現する」を理念に掲げ2013年に、株式会社アイ・フィールドを設立、代表を務める。
各地域で野外レストランを開催する「DINING OUT」の食材TEAMや、ファッションブランドのプロジェクトに中心メンバーとして参画。
また、地域食材のPR、「健康」や「美容」に特化した商品開発プロデュース、ブランディング、コンセプト設計、食品衛生、販売促進プロモーション、研修企画運営等に携わっている。GRØNの商品開発では栄養面での監修を担当。消費者の健康に、より効果的に取り入れる方法を提案している。
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