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東洋医学について (アーユルヴェーダー編) 〜栄養士のColumn Vol.58

東洋医学について (アーユルヴェーダー編) 〜栄養士のColumn Vol.58

しばらく時間が空いてしまいましたが、前回の漢方編に引き続き今回はアーユルヴェーダーについてお話をさせていただきます。
東洋医学について (漢方編) 〜栄養士のColumn Vol.53

アーユルヴェーダとは

 

アーユルヴェーダとは5000年の歴史を持つ世界最古と言われるインドの伝統医学です。
サンスクリット語で「アーユス(Ayus|生命)」と「ヴェーダ(Veda|知識、学問、真理)」を意味する言葉で、「長生きの知恵」という意味を表しています。

心身共に調和のとれた、健康的な生活、予防医学の考えを大切にし、食事法(医食同源)に加えて健康法(ヨガ・瞑想)にも重点を置いています。
自分自身の心と身体の状態を知り、そして理解し、心身共に調和のとれた状態になることで自らを癒していく予防医学です。

考え方としては、健康や美容、リラクゼーションにも取り入れられる包括的なもの。
舌磨き、鼻うがい、耳マッサージ、呼吸法、オイル、スパイス、ハーブティー等がありますが、その中でも食は特に大切なキーワードとして捉えられています。
最近では、アーユルヴェーダを取り入れたレストランなどのフードシーンから、アーユルヴェーダを体感できる宿泊施設やトラベルプランなど広がりを見せています。

3つの「ドーシャ」

 

アーユルヴェーダでは、3つの「ドーシャ」と呼ばれる生命エネルギーを体質の基本と捉え、一人一人違ったバランスでエネルギーを持っている考え方があります。
人はみんな3つすべてのドーシャを持っていますが、生まれ持ったエネルギーバランスは人それぞれ、ほとんどの人間が1つもしくは2つ優勢なドーシャをもちます。
そのバランスは状況や季節などによっても変化するものです。
そのためにも、本来の自分自身のエネルギーバランスを知り、理解を深めて、日々の過ごし方を整えていくことが必要です。

それでは3つのドーシャについて説明をしていきます。

1. ヴァータ(Vata) 「空」と「風」の要素を持つエネルギー

特徴:明るく快活、変化を好む、好奇心旺盛、軽やか、速い、行動的、髪や肌が乾燥している、冷え性。
体型:痩せ型ですが、スタミナがなく疲れやすい。

ヴァータ優勢の方が心掛ける食事:
エネルギーが不足しがち。
なるべく生野菜や冷たい食べ物をさけて、熱を通したり、油で炒めたりした温かい食事を。
食べる時も、慌ただしくせず、リラックスしながら、ゆっくりと食べることが大切です。

食事例)
温かい鍋料理やスープ・シチューなど、消化しやすい食べ物が向いています。
熟して果汁の多いフルーツ、あるいはフルーツジュースも良いです。
ショウガ、コショウ、シナモン、ナツメグなどのスパイスをたくさん取って、体内からチアアップさせるのもおすすめです。
避けるべきは、生野菜やドライフルーツなど乾燥したもの、冷凍食品です。
ヴァータはバランスを崩しやすいため、お勧めのものも過度に食べ過ぎるのは控えましょう。

2. ピッタ(Pitta) 「水」と「火」の要素を持つエネルギー
特徴:情熱的、食欲旺盛、チャレンジ精神、鋭い知力、努力家、リーダーシップ、高い消化力、肌はキメが細かく、脂性肌の傾向。
体型:中肉中背で体が熱い。空腹感が強い。

ピッタ優勢の方が心掛ける食事:
食欲が旺盛な場合が多いですが、消化器疾患に罹りやすいとされています。
バランスを重視するアーユルヴェーダの考え方では、甘味、苦味、渋味、重さ、乾性のものがいいとされています。
また熱の属性のある食材や辛いスパイスなどは控えた方がよいとされています。

食事例)
爽やかなクミンやコリアンダーのスパイスを加えて、ブロッコリー、ゴーヤ、アスパラガス、ルッコラ、ホウレンソウ、ピーマンなど緑の野菜やリンゴ、ベリー類、ブドウなどの甘味の多い果物がおすすめ。
避けるべき食品は、塩分の多いもの、酸味、辛味の強い食べ物。アルコール、にんにく、唐辛子など刺激のあるものも避けましょう。

3. カパ(Kapha) 「地」と「水」の要素を持つエネルギー
特徴:穏やか、ゆっくり、冷たい、しっとり、安定、重い、美食家、忍耐力、深い愛情、がっしりとした骨格、色白。
体型:がっちりでふくよか。ゆっくりと行動し、体力や持続力がある。

カパ優勢の方が心掛ける食事:
消化がゆっくりで、太りやすい傾向が多いため、特に食事の量や内容には気をつけていく必要があります。
代謝を活性化させて体を温めるようなスパイスを使った食事をゆっくりと時間をかけてとり、苦味や渋味、辛味を重点的に、炒めたり、温めたりした食事をとることが大切。

食事例)
苦い葉物、ハーブ類や温野菜とスパイス(ショウガ、レッドペッパー、コショウ、コリアンダー)を中心に、特に夜は少なめに。
豆類や、南インド等のサラサラとしたカレー、蒸し野菜もおすすめです。
避けるべき食品は、乳製品や油っこい食べ物、塩分の多い食べ物です。

サロンなどでは診断をしてタイプを教えてくれるところもありますが、ドーシャを一つに特定して捉われず、3つ全てのドーシャを異なる割合で持っており、バランスが個々によって違うものだと認識いただくことがポイントです。

アグニという概念

 

また、アーユルヴェーダの概念のひとつに「アグニ」があります。
アグニとは消化機能、消化力のことを指しています。

アーユルヴェーダの古典には『すべての疾患はアグニの低下によって生じる』という言葉があり、体が食べたものをきちんと消化できていないことがすべての病気の原因であるとされ、正常に消化機能を働かせ、消化器系の健康を取り戻すことがとても有効と考えられています。
アグニのエネルギーが弱まって私たちが摂取したものを十分に消化できないとき、「アマ」とよばれる有毒な残渣物が体に蓄積されるとされ、この有毒な残渣物がたまってくると、心身をめぐるエネルギーの流れが悪くなり、最終的に病気という形で体に現れるとされています。

アーユルヴェーダで推奨されている食事の考え方

 

ではどう実践していくべきか。
ここではアーユルヴェーダで推奨される食事に対する考え方の一例を紹介していきます。

1. 心地よくリラックスした環境と、正しい姿勢で落ち着いた心を持ち、必ず座った状態で、毎日同じ時間に食べる。
2. 食事は、空腹時にすること。
3. 食べ過ぎも、食べなさ過ぎも避ける。(食べられる量の3/4程度が適量)
4. ながら食いをせず、食事を味わい、よく噛んで適度なスピードで食事を味わう。
5. 食後は休憩をとるが、食後の昼寝はしない。就寝直前に食事をしない。
6. 食事中および前後に、水を大量に飲まない。
7. 食材は近くから入手し、旬をとりいれ、自然な素材で作り、温かいうちに食べる。
8. 生の食材はなるべく避ける(ただし果物などはOK)

食べたものを消化し、吸収する力が正常ならば食べ物は身体の栄養になり、不要物は汗や尿便として排泄されます。
身体に入った栄養が活用できずに未消化物が老廃物として体に溜まり不調になる。
アーユルヴェーダを通して、食材の性質だけでなく、料理中や食べるときの心の状態も重要だと教えてくれます。

どんなに質が良く、栄養価の高い食事であっても、消化吸収がきちんと行われなければ、食事の本質的な意味が失われます。
食事をする際に、考慮しなければならないこととして、個人の消化能力と消化や代謝のサイクルがあることをとらえた、アーユルヴェーダの考え方を取り入れてみてはいかがでしょうか?

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栄養士・食育指導士・食の6次産業化プロデューサーlevel4
石原綾子

ヘルスケア分野での栄養指導、アグリビジネスのプロフェッショナル。
ミスワールド日本候補生に向けた講演会など、美や健康に特化した分野をフィールドに様々な活動を行なっている。

「食を通して心と身体を豊かにし、人と地域がつながる生き生きとした社会を実現する」を理念に掲げ2013年に、株式会社アイ・フィールドを設立、代表を務める。
各地域で野外レストランを開催する「DINING OUT」の食材TEAMや、ファッションブランドのプロジェクトに中心メンバーとして参画。
また、地域食材のPR、「健康」や「美容」に特化した商品開発プロデュース、ブランディング、コンセプト設計、食品衛生、販売促進プロモーション、研修企画運営等に携わっている。GRØNの商品開発では栄養面での監修を担当。消費者の健康に、より効果的に取り入れる方法を提案している。

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ABOUT US私たちについて

Embark on a journey of body and soul
With plant-based protein powders and soups

Here, we see the key to our future with food is mapped out in ancient truths.
A clear path unfolds when you meet people and spend time in the remarkable green around them.

Just like the aroma of fresh, new earth when you step off plane
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