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体に負担をかけない「腹八分目」のすすめ 〜栄養士のColumn Vol.74

体に負担をかけない「腹八分目」のすすめ 〜栄養士のColumn Vol.74

食欲の秋、到来です。
この時期は美味しい旬の食材が多く、ついつい食べ過ぎてしまいますね。

美味しいものを目の前にして、つい食べすぎてしまう方に意識してほしい「腹八分目」
今回は、普段の食事で「腹八分目」を実践するポイントやメリットについてお話したいと思います。

腹八分目に医者いらず

昔から日本では「腹八分目に医者いらず」という言葉があります。
この意味は「満腹になるまで食べないことによって健康を維持できる」というものです。

▼ 過食を繰り返すことで生じるといわれるリスク
・一日の食事摂取カロリーが多くなり、 肥満や生活習慣病のリスクを高める
・食べ物を消化するための消化酵素が追い付かず、 酵素不足から腸内環境を悪化させる原因になる
・腸内環境が悪化することで、見た目にも免疫にも悪影響を及ぼす
・胃腸が疲弊し、慢性的な疲れや代謝の低下を招く

逆をいえば、普段から腹八分目を意識することで健康な体を維持できるとも言えます。

腹八分目に医者いらずは本当?

なぜ腹八分目が健康に良いと言われるのでしょうか。
1980年代から世界各国で様々な科学的検証が行われてきました。

東海大学医学部では、マウスを用いたある研究が行われました。
食べる量の制限を無くしたマウスと8割に食事制限したマウスの平均寿命を比較する、というものです。
その結果、8割に制限したマウスは、制限のないマウスに比べ1.6倍平均寿命が延びたと報告されています。

また人を研究対象としたものでは、金沢医科大学が「1日に必要なエネルギー量からカロリー量を25%制限した食生活」を数週間続けるといった実験を行っています。

この結果、“長寿遺伝子”と呼ばれる「サーチュイン遺伝子」が作る酵素の量が数倍に増えることが分かりました。
サーチュイン遺伝子は、飢餓やカロリー制限、ウォーキングなど軽めの運動などによって活性化されると言われています。

これらの研究からも分かるとおり、腹八分目は健康を維持するための食習慣の一つとして有効なのです。

腹八分目はどの位?

では、腹八分目とは、どのくらいの量を指しているのでしょうか。

明確な量は決まっていませんが、お腹がいっぱいと感じる量が腹十分目とすると、もう少し食べたいと感じる量が腹八分目です。
お腹が膨れているのに物足りなさを感じるのは、脳が満腹だと反応するまでにタイムラグが生じているからです。
まだ余裕があると思って食べてしまうと、10~20分後くらいには食べ過ぎた状態になってしまいます。

普段の食事から、自分にとって適度な満腹感が得られる量はどの位か意識してみましょう。
まだ食べられるけど、もう空腹じゃないなと感じる時に食事をストップすることが重要です。

腹八分目の食事方法のポイント

腹八分目にチャレンジしようと思っても、なかなか難しいものです。
そこで腹八分目の食事方法について、6つのポイントをまとめてみました。

1.噛む回数を増やし、ゆっくり時間をかけて食事をする
よく噛んでゆっくり食べることで、唾液の分泌が促され、消化を助けてくれます。
食べてから満腹中枢が刺激されるまでには時間差があります。
食事にゆっくり時間をかけることで、少ない量でも満腹中枢が刺激され食べすぎを予防できます。

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2.食材を工夫して、かさ増しをする
なかなか満腹感を得られない方におすすめなのが、量をかさ増しする方法です。
食物繊維が豊富な野菜、こんにゃく、きのこ類、海藻類などヘルシーな食材を積極的に取り入れて、見た目にもボリュームアップできます。
噛み応えがあるものが多いので、自然と咀嚼の回数が増えて満腹中枢を刺激しやすくなります。

3.タンパク質を意識する
満腹中枢を刺激し、食欲を抑制するホルモンである「レプチン」や「セロトニン」の分泌を増やしてくれる「高タンパクな食事」がおすすめです。
食事の中でタンパク質を意識してみましょう。

4.食べる順番を意識する
野菜やきのこ、海藻等に豊富に含まれる食物繊維は、血糖値の上昇を穏やかにする効果が期待できます。
さらに食べ過ぎを防ぐ満腹感も得られるので、最初に食物繊維の多い野菜等を食べ、次にたんぱく質の肉や魚、大豆類を食べます。
その次に、糖質類のごはんという順番がポイントです。

5.最初に食べる量を決める
プレート皿にあらかじめ食べる量を盛り付けると、自分の食べる量が分かり食べ過ぎを防ぐことができます。
大皿でシェアをするスタイルだと、どの位食べたかが分かりづらく、つい食べ過ぎてしまいますよね。

また、小さなお皿に盛りつけるだけでも食べ過ぎ防止に効果があります。同じ量でも多く感じられ、視覚からも満足感を得られます。

6.ながら食べをしない
テレビやスマートフォンを見ながらの食事は、意識が食べることに向かず、他のことに分散されてしまいます。
その結果、噛む回数が減ったり、だらだらと食べ続けてしまったり、食べた量がわかりづらくなります。
食べることに集中するだけで、満腹感に違いが出てきます。

普段から腹八分目の食事量を心がけよう

腹八分目は、ある意味、体に負担をかけない食べ方だと言えます。
選ぶ食品や量などは、その時の体調やシーンで変わると思いますが、自分の体と相談しながら適正量を守ることが大切です。

毎日の食事は、生きるために大切なこと。
負担をかけない食べ方の「腹八分目」を習慣化し、健康的な生活を送りましょう。

 

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栄養士・食育指導士・食の6次産業化プロデューサーlevel4
石原綾子

ヘルスケア分野での栄養指導、アグリビジネスのプロフェッショナル。
ミスワールド日本候補生に向けた講演会など、美や健康に特化した分野をフィールドに様々な活動を行なっている。

「食を通して心と身体を豊かにし、人と地域がつながる生き生きとした社会を実現する」を理念に掲げ2013年に、株式会社アイ・フィールドを設立、代表を務める。
各地域で野外レストランを開催する「DINING OUT」の食材TEAMや、ファッションブランドのプロジェクトに中心メンバーとして参画。
また、地域食材のPR、「健康」や「美容」に特化した商品開発プロデュース、ブランディング、コンセプト設計、食品衛生、販売促進プロモーション、研修企画運営等に携わっている。GRØNの商品開発では栄養面での監修を担当。消費者の健康に、より効果的に取り入れる方法を提案している。

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