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野菜の成り立ちと在来種野菜について〜栄養士のColumn Vol.84

野菜の成り立ちと在来種野菜について〜栄養士のColumn Vol.84

スーパーや八百屋に行くと、一年中色とりどりの野菜が並び、様々な種類や品種を目にします。
これら野菜のほとんどすべては、人間が長い年月をかけて野生の植物から作り出したものです。
野菜の祖先である野生の植物は、実が小さかったり、毒があったりなど、栽培したり食べたりするには適さないものがほとんどです。

それでも栽培を続けるうちに、性質が変化したものが生まれることもあり、その中から利用しやすいものを人間が選んで栽培し、それぞれの地域で品種改良などが重ねられた結果、さまざまな野菜が誕生したと考えられています。

今回は、これら野菜の成り立ちについてについてお話しようと思います。

野菜の祖先

野菜の先祖をたどっていくと、起源が同じなのに、外見が異なっているだけでなく、葉や茎、根など、食用とする部分も違います。
これは人の手によって栽培されるようになり、長い歳月を経て全世界に伝わっていき、それぞれの地域で品種改良などが重ねられた結果、さまざまな野菜が誕生したと考えられています。

そんな野菜の先祖についてお話すると、例えば、私たちが良く口にするブロッコリーやキャベツなどの先祖は、野菜の王様「ケール」と言われています。

栄養価が高く、健康はもちろん美容にも良いとされるケールは、今でこそ積極的に食べたいスーパーフードとして流通していますが、起源をたどると4500年も前の地中海沿岸が原産と言われています。

一説によると、野生のケールを食べて育った羊が、とても丈夫で発育が良くケールの栄養価の高さに当時注目が集まっていたとか、長期間に渡る航海でのビタミンC不足を防ぐために持ち合わせたケールが、行く先々でその素晴らしさが広まったとも言われています。

そして、ケールが日本にやってきたのは江戸時代くらいと言われており、和名は「リョクオウカンラン」「ハゴロモカンラン」と呼ばれ、現在のキャベツやブロッコリーなどの原種とされています。

キャベツ(ヨーロッパ原産)は、ケールが結球した丸い形となって生まれ、ブロッコリーはケールのつぼみが進化したものと言われています。
また、キャベツの芯のような味わいのみずみずしく甘いコールラビという野菜も、ケールの茎や葉が発達してできたものとされています。

このように、私たちが食べている野菜は、長い歴史の中で変化し今の姿になって食卓に並んでいます。

野菜の種は大きく「固定種」と「F1種」に分けられる

野菜を種から作られた経験がある方はご存じかと思いますが、種にも品種があることを知っている方は少ないのではないでしょうか。
例えば一括りにニンジンと言っても、種の品種によって栄養価や特徴が異なります。

野菜の種は、採取方法の違いから「固定種(在来種)」「F1種」の大きく2つのグループに分けられます。簡単にそれぞれの違いと特徴を確認していきましょう。

*固定種

品種として定まった状態のものを固定種と言います。

一番優れた野菜を選抜して種をとり、そしてまたその栽培した野菜の中から一番良くできた野菜の種を採って育てることの繰り返しを何代もかけて行うことで出来上がった品種です。

*在来種

在来種は、特定の土地で長年栽培と種採りを繰り返しながら、その土地の気候風土や環境に適応して育ち継承されてきた品種です。
その継続的に繰り返されてきた土地由来で育った野菜は「伝統野菜」、「地域野菜」と呼ばれています。
例えば、京都の「聖護院かぶ」や「九条葱」、東京の「大蔵大根」や「谷中生姜」、岐阜の「宿儺かぼちゃ」などが有名です。

【固定種(在来種)の主な特徴】

・味が濃厚で、豊かな風味を感じる
・収穫時期にばらつきがあるため、長期間収穫できる
・タネを採って毎年再生産することができる
・その土地の特性に適応しているので、必要以上に肥料や農薬に頼らない栽培が可能
・種の採種や栽培に手間がかかり、収穫量が少ない

地域の農家さんの手によって、現存する種が絶えることのないよう保存・継承する取組も行われています。

*F1種

F1種(Filial 1 hybrid、first filial generation)は一代限りの雑種で、「一代交配品種」とも呼ばれ、同系品種の掛け合わせである固定種と異なり、違う品種の親同士を掛け合わせて作る雑種(hybrid)の一代目になります。

これは、両親がもつ性質のうち、優性の遺伝子だけが現れる雑種強勢という遺伝子現象を利用したもので、2代目以降はこの現象によるメリットが薄くなります。

現在市場に流通している野菜の大半は、このF1種であるとされています。

【F1種の主な特徴】

・生育が早く、病気や害虫に強いので栽培が容易
・成育や大きさが均一で、収穫量が多いので大量消費向け
・種とりには不向き

日本に存在する在来野菜は、生命力が強く、味や風味が豊かなことが特徴です。
また、昔から地域に根差す野菜にはパワーがあり栄養価も高いものが多いのです。

しかし、だからと言って在来種が良くてF1種が悪いというわけではありません。
それぞれの成り立ちや特徴を知ることが大切だと考えます。

在来野菜の存在や野菜の起源に思いを馳せると、野菜を選ぶ見方が少し変わってくるかもしれませんね。

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