乳酸菌を知ろう 〜栄養士のColumn Vol.75
先日のコラムで説明した、腸のこと菌のこと。
腸活で注目「プロバイオティクス・プレバイオティクス」 〜栄養士のColumn Vol.71(後編)
今回はこの中でも触れた、よく耳にする菌「乳酸菌」について深掘りしていきたいと思います。
乳酸菌と乳酸菌が含まれる食品
乳酸菌とは腸を整えてくれる善玉菌の一つ、糖類を分解して乳酸をつくり出す細菌の総称です。
乳酸菌は、球状の「乳酸球菌」と棒状の「乳酸桿菌」の大きく2つに分類されます。
さらにそこから、属や菌株などに細かく分類されていき、最終的には200種類以上のものが存在るると言われています。
私たち人間や動物の腸内に存在する乳酸菌ですが、自然界のあらゆる場所や、私たちが口にする食べ物の中にも、異なる形態、発酵形式をした様々なものが存在しています。
乳酸菌が多く含まれる食品として挙げられる発酵食品。
その中でもチーズやヨーグルト、キムチ、ぬか漬けなどが代表的です。
動物性乳酸菌食品と植物性乳酸菌食品
それではここで、動物性乳酸菌食品と植物性乳酸菌食品について説明をしていきます。
動物性乳酸菌食品について。
まずは動物性乳酸菌食品。
牛乳などの乳製品に乳酸菌を加え、乳酸発酵させた食品を指します。
乳に含まれる「乳糖」を、乳酸菌が分解することによって生まれるもので、ヨーグルトやチーズ、原料にミルクが含まれる乳酸菌飲料などを指します。
代表的な動物性乳酸菌食品として挙げられるヨーグルトを例に説明します。
ヨーグルトとは本来、ブルガリア菌(ラクトバチルス・ブルガリカス)と乳酸球菌(球状の乳酸菌)のサーモフィラス菌(ストレブトコッカス・サーモフィラス)の2種類で乳酸発酵しているものを指します。
*国際食品規格(コーデックス規格)より
ブルガリア菌とは、乳酸桿菌(細長い棒状の乳酸菌)です。
ブルガリア菌自体は腸の中に住み着くことができませんが、腸内にある善玉菌や乳酸菌のエサとなるため、摂取することで腸内環境を整えられます。
一方でサーモフィラス菌は、乳酸球菌(球状の乳酸菌)です。
サーモフィラス菌は、ブルガリア菌の生育をサポートする働きがあるため、発酵の際一緒にもちいられます。
ただ「ヨーグルト」として日本で販売されているものは、「発酵乳」を指すもので、乳を、乳酸菌または酵母で発酵させてもの全てを指すので、ブルガリア菌やサーモフィラス菌が使われていない商品も沢山あります。
ガゼリ菌、アシドフィルス菌、ビフィズス菌など、製品によって含まれている乳酸菌の種類は異なるので、購入前に自分が求めている作用のある乳酸菌か確認することをお勧めします。
植物性乳酸菌食品について。
つづいて植物性乳酸菌食品。
植物由来の食品を発酵させることで生まれる、乳酸菌を含む食品を指します。
例として挙げられるのが、キムチ、ザーサイ、漬物、ピクルス、味噌、お酒、甘酒、テンペなど。
植物性乳酸菌食品は、動物性と比べ脂肪分が少なく、体に負担をかけずに摂取することができます。
また塩分や酸、アルカリにも強く、過酷な環境でも生き抜く特性があることから、生きたまま腸の奥まで届き、善玉菌を力強くサポートしてくれます。
お漬物類に存在する、腸内を酸性にすることで、悪玉菌を減らし腸内環境を整える乳酸菌 (リューコノストック・メセンテロイデス) や整腸作用や免疫力の向上作用が期待できる乳酸菌 (ラクトバチルス・ブレビス)、味噌に含まれる乳酸菌 (テトラジェノコッカス・ハロフィルス)など、植物性の乳酸菌の種類は200種類以上。動物性の10倍以上も存在します。
またラクトバチルス・カゼイなど、動物性食品、植物性食品に共通して存在する乳酸菌もあるので、あくまでどの食品に含まれるものかによって、植物性乳酸菌か動物性乳酸菌は区別されるものと理解をしてください。
世界が注目する植物性乳酸菌
食文化の多様性にともない、酸味の効いた独特の風味をもち、保存面でも優れたアジアの植物性乳酸菌を含む食品は世界中へと広がっています。
それを加速させているのが、直接腸へと届き腸内環境を改善させる、植物性乳酸菌の特性です。
また、乳酸菌のエサとなるオリゴ糖や食物繊維なども一緒に取り入れることで、より効力を加速してくれます。
年齢とともに善玉菌は減少したり、ストレスや食生活などによっても減少するもの。
良質な乳酸菌の摂取を心がけ、それをサポートする健康的な食事を意識することは、善玉菌優勢の腸内フローラへと導き、便秘の改善やコレステロール値の低下、免疫力の向上、アレルギーの抑制など、様々な効果を生み出してくれます。
冬場の保存食として生まれ、日本人の食生活を支えてきた発酵食品。
文化的な一面に加え、腸に対してパワフルな働きを持つ乳酸菌豊富な、スーパーフードとしても目を向けて、日々の生活へとり入れてみましょう。
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栄養士・食育指導士・食の6次産業化プロデューサーlevel4
石原綾子
ヘルスケア分野での栄養指導、アグリビジネスのプロフェッショナル。
ミスワールド日本候補生に向けた講演会など、美や健康に特化した分野をフィールドに様々な活動を行なっている。
「食を通して心と身体を豊かにし、人と地域がつながる生き生きとした社会を実現する」を理念に掲げ2013年に、株式会社アイ・フィールドを設立、代表を務める。
各地域で野外レストランを開催する「DINING OUT」の食材TEAMや、ファッションブランドのプロジェクトに中心メンバーとして参画。
また、地域食材のPR、「健康」や「美容」に特化した商品開発プロデュース、ブランディング、コンセプト設計、食品衛生、販売促進プロモーション、研修企画運営等に携わっている。GRØNの商品開発では栄養面での監修を担当。消費者の健康に、より効果的に取り入れる方法を提案している。
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