更年期の症状に効果的なヤム芋 〜栄養士のColumn Vol.97
40代になると身体の変化やメンタルの不調を感じ始める方も多いと思います。
ぐっすり眠れない、イライラしたり情緒不安定になる、突然の体温上昇や発汗、月経の量や周期に変化が現れる等の不調は、更年期の症状と考えられています。
症状を感じ始めるのは人それぞれですが、通常40代から50代にかけて始まり、その過程は個人によって異なります。
女性ホルモンの分泌減少が引き起こす更年期症状
更年期に不調が現れるのは、卵巣機能の低下による女性ホルモンの減少が主な原因です。
女性は40歳頃になると、女性ホルモン「エストロゲン」「プロゲステロン」の分泌が減少します。
分泌の減少によって身体のホルモンバランスが乱れ、身体的・精神的な不調を引き起こしてしまうのです。
身体的影響として、ホットフラッシュ(ほてり)、夜間の発汗、皮膚の乾燥、しわ、色素沈着が進行し、骨密度の低下等が挙げられます。
また、精神的影響として、気分変動、情緒不安定、イライラや情緒の変動、不安感が現れることがあります。不眠や集中力の低下にもつながります。
> 男性ホルモンと女性ホルモン 〜栄養士のColumn Vol.89
更年期を乗り切る効果的な食材「ヤム芋」
更年期を乗り切る方法の一つに日々の食事の見直しが必要です。
3食バランス良い食事を摂取すること、女性ホルモンのエストロゲンに似た働きをする大豆イソフラボン(納豆、きなこ、おから等)を積極的に摂取すること、併せてホルモンバランスの調整を行ってくれるビタミンE(アーモンド、かぼちゃ、抹茶、アボカド等)を積極的に摂ることが良いとされています。
これ以外にも注目されている食材があります。
それは、「ヤムイモ」です。
ヤムイモとは、ヤマノイモ科ヤマノイモ属のイモを食用にする植物のことで、自然薯や長芋もヤムイモの一種です。
>滋養強壮・夏バテ予防に。自然薯やクーガ芋など山芋について。 〜栄養士のColumn Vol.93
DHEA=若返りホルモン・マザーホルモン
ヤムイモには「ジオスゲニン」という成分が含まれています。
ジオスゲニンは、若返りホルモンとも呼ばれる「デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)」と同じような働きをします。
生理的変化や更年期対策に、このデヒドロエピアンドロステロン(DHEA)がとても重要だと考えられています。
DHEAは、副腎皮質から分泌されるステロイドホルモンの一つ。
ホルモン前駆体として機能し、体内で他の性ホルモンであるエストロゲンとテストステロンの生成に関与する重要な役割を果たします。
DHEAは『マザーホルモン』とも呼ばれていて、その分泌は20代でピークを迎え、その後は急激に分泌量が減少、40代で約半分になってしまうこともあるとか。
そもそもDHEAは体の中で炎症を抑えたり、インスリンの働きを助けて糖尿病を防いだり、さまざまな働きを持つホルモンです。
さらに筋力を保ったり、動脈硬化や脂質異常症を改善するなどの働きもあることから「若さを保つ」「老化を促進しないようにする」ホルモンとして知られています。
DHEAは更年期障害の諸症状では、特にホットフラッシュ、気分の落ち込み、無気力症状の改善に有効とされています。
海外ではDHEAを高配合したサプリメントが市販されていますが、妊娠中や授乳中の方、若年層、持病をお持ちの方は摂取禁忌あるいは医師に相談の上摂取したほうが良いとされています。
若返りホルモン「DHEA」を増加させる方法
*軽い運動
若さを保つホルモンDHEAを体内で増やすにはどうすれば良いのか、一番効果があるのは運動です。
なかでも下半身の筋肉を活用し、軽い負荷のかかる程度の運動が、DHEAを増加させるのに効果があるといわれています。
ウォーキングの時にも、階段を上る等負荷を加えることがDHEAの分泌を促進するとされています。
*過度にストレスを溜めない
DHEAはストレスに対抗する「抗ストレスホルモン」でもあります。
またストレスに対抗するホルモンとして「コルチゾール」があります。
DHEAもコルチゾールも副腎で分泌されるホルモンで、この二つが連携して働くと有効に機能します。
コルチゾールは、ストレスによって分泌量が増加するホルモンで、老化の要因ともいわれる活性酸素を発生させることから「老化ホルモン」と呼ばれたりします。
DHEAは、このコルチゾールから細胞を守るために、ストレスが加わると分泌量を増やします。
しかし、ストレスが高い状態が続くと、コルチゾールの分泌量が増えても、DHEAは減少するようになってしまいます。
つまり、過剰なストレスが続くことは、DHEAの減少を促進する要因になってしまうので、ストレスをため込まずリフレッシュする習慣をつけることがポイントです。
*芋類の摂取
そして、前述したDHEAと同じような働きをするジオスゲインを豊富に含む、粘り気のある芋類(ヤムイモ、自然薯、山芋、ヤマトイモ、里芋、菊芋等)を食事に摂り入れることがポイントです。
その中でも、沖縄で自生する自然薯の一種である「クーガ芋」は、日本で栽培されている約80種類の山芋の中で最もジオスゲインの含有量が高いとされています。
しかしクーガ芋は希少品種の山芋で、沖縄でもスーパーで見かけることはめったにありません。
そんな希少なクーガ芋を配合したのが、GRØNのゴールデンウォーリアーです。
更年期の対策や内側から若さを保ちたい方は、是非取り入れたいアイテムです。
日々の生活の中で、運動やバランスのとれた食事、十分な睡眠はDHEAの味方です。
更年期障害でお悩みの方は、生活習慣で自然にDHEAを増やすことができるよう意識してみましょう。
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栄養士・食育指導士・食の6次産業化プロデューサーlevel4
石原綾子
ヘルスケア分野での栄養指導、アグリビジネスのプロフェッショナル。
ミスワールド日本候補生に向けた講演会など、美や健康に特化した分野をフィールドに様々な活動を行なっている。
「食を通して心と身体を豊かにし、人と地域がつながる生き生きとした社会を実現する」を理念に掲げ2013年に、株式会社アイ・フィールドを設立、代表を務める。
各地域で野外レストランを開催する「DINING OUT」の食材TEAMや、ファッションブランドのプロジェクトに中心メンバーとして参画。
また、地域食材のPR、「健康」や「美容」に特化した商品開発プロデュース、ブランディング、コンセプト設計、食品衛生、販売促進プロモーション、研修企画運営等に携わっている。GRØNの商品開発では栄養面での監修を担当。消費者の健康に、より効果的に取り入れる方法を提案している。
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