小麦アレルギーの方の強い味方「たまり醬油」について〜栄養士のColumn Vol.109
たまり醤油とは
「たまり醤油」は、日本の伝統的な調味料で、原料は主に大豆、少量の小麦と塩で、樽の中でゆっくりと熟成させて作られる醤油の一種です。
製法が通常の醤油と異なり、まろやかで深い味わいが特徴的です。
濃い色合いもあり、主に関西地方で広く使用され、料理にコクと風味を加えることができます。
グルテンフリーのたまり醤油の製造工程
通常のたまり醤油の製造は、麹として小麦を使用することが多いです。
しかし近年注目されるたまり醬油は、小麦を一切使用しないグルテンフリーのもので、小麦アレルギーの方や海外の方にとても人気があります。
グルテンフリーのたまり醤油は、小麦を使わずに大豆と塩のみで造られています。
一般的な製造工程は以下のようになっています。
※ 製造工程は製品や製造者によって異なることがありますので、商品の詳細を確認しましょう。
1. 原材料の選定
大豆が主要な原料であり、小麦の代替として米や他の穀物が使用される場合もあります。
2. 醸造液の作成
大豆や他の原材料から抽出した液を醸造液として用意します。
これにはアミノ酸や糖が含まれ、発酵プロセスで味や香りが形成されます。
3. 発酵
醸造液に麹を加え、発酵を促進します。
麹には酵母や乳酸菌が含まれ、これが醸造液を発酵させ、醤油特有の風味や色合いを生み出します。
4.熟成
発酵が進んだ後、熟成が行われます。
樽などに入れられ、ゆっくりと時間をかけて熟成させます。
この過程で深い味わいが形成されます。
5.濾過と調味料の調整
熟成が終わった後、醤油を濾過し、必要に応じて調味料を調整します。
これにより、最終的な風味や塩分濃度を調整します。
6.製品の検査
製品は品質管理の下で検査され、安全性と品質が確認されます。
製品がグルテンフリーであることを確認するために、十分な対策が講じられることが一般的です。
このような製造プロセスによって、小麦を一切使用せずに作られた「グルテンフリーのたまり醤油」が生み出されます。
一般的なたまり醬油とグルテンフリーのたまり醤油の違い
通常のたまり醤油と小麦を使用しないたまり醤油を比較してみました。
一般的なたまり醤油 | グルテンフリーたまり醤油 | |
原材料 | 大豆、小麦、塩が主原料 | 大豆と塩のみが主原料 小麦不使用 |
風味 | 甘みと旨味のバランスが良く、小麦由来の甘みと旨味がある | 大豆由来の濃厚な旨味がある。甘味はやや少ない。 |
色合い | 薄い琥珀色 | 濃い琥珀色 |
栄養素 | たんぱく質が豊富 | 大豆と塩のみで作られているため、一般的なたまり醤油と比較するとたんぱく質が豊富 |
グルテンフリーたまり醤油は、普通のたまり醤油よりも濃厚な旨味があるので、煮物や鍋物などの料理によく合います。
小麦アレルギーではない方で、小麦を少し控えたいと考えている方にもおすすめの調味料です。
様々なメーカーのものがありますので、気になる方は是非チェックしてみてはいかがでしょうか?
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栄養士・食育指導士・食の6次産業化プロデューサーlevel4
石原綾子
ヘルスケア分野での栄養指導、アグリビジネスのプロフェッショナル。
ミスワールド日本候補生に向けた講演会など、美や健康に特化した分野をフィールドに様々な活動を行なっている。
「食を通して心と身体を豊かにし、人と地域がつながる生き生きとした社会を実現する」を理念に掲げ2013年に、株式会社アイ・フィールドを設立、代表を務める。
各地域で野外レストランを開催する「DINING OUT」の食材TEAMや、ファッションブランドのプロジェクトに中心メンバーとして参画。
また、地域食材のPR、「健康」や「美容」に特化した商品開発プロデュース、ブランディング、コンセプト設計、食品衛生、販売促進プロモーション、研修企画運営等に携わっている。GRØNの商品開発では栄養面での監修を担当。消費者の健康に、より効果的に取り入れる方法を提案している。
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