世界が注目する「植物性ミルク」の選び方 〜栄養士のColumn Vol.110
健康や環境への配慮から、プラントベースフードが世界中で注目されています。
植物由来の原料から作られた飲み物である植物性ミルクは多様な種類があり、最近ではスーパーでも手軽に購入できるようになってきましたね。
それぞれの特徴をご紹介します。
オーツミルク
キーワード:食物繊維やカルシウムが豊富
オーツミルクは、オーツ麦を原材料に作られた植物性ミルクです。
水溶性・不溶性食物繊維がバランスよく含まれていますので、腸内環境を改善する効果があります。
その中でも水溶性食物繊維である「βグルカン」には、血中のコレステロール値を低下させたり、血糖値の上昇を抑えたり、免疫力を高めるといった健康へのさまざまな効果が認められている栄養素です。
また、骨や歯を作る、筋肉の収縮をサポートするカルシウムを豊富に含んでいます。脂質代謝をサポートするビタミンB2や、たんぱく質の合成をするビタミンB12、免疫機能の向上に期待できるビタミンDが豊富です。
【おすすめ】
・腸内環境を整えたい方
・免疫力を高めたい方
・ダイエットをしたい方
・美肌を目指す方
GRØNで取り扱いのオーツミルク
豆乳(ソイミルク)
キーワード:豊富なタンパク質
アミノ酸スコアも高く、良質のタンパク質が豊富な大豆は【畑のお肉】と昔から言われています。
分解・吸収に時間がかかるため腹持ちが良く、栄養価が大変豊富で、動物性食品に比べても低カロリーで基礎代謝を活発にする機能があるため、ダイエットに効果があると期待されています。
大豆イソフラボンは、女性ホルモンのエストロゲンに似た構造をしていることで注目されています。
加齢に伴い減少する女性ホルモンの代替ホルモンとして、骨の健康維持にも期待されています。
また、豆乳に含まれるオリゴ糖は、便通を改善したりする効果が期待できます。
貧血予防の鉄分、高血圧の予防に効果的なカリウム、神経やホルモンの分泌に関わるマグネシウムが豊富です。
【おすすめ】
・便秘気味の方
・ダイエットをしたい方
・美肌を目指す方
・更年期の症状にお悩みの方
アーモンドミルク
キーワード:ビタミンEや食物繊維が豊富
アーモンドを原料として作られる飲料です。
他の植物性ミルクに比べ低カロリー、低脂質、低糖質で、ビタミンEの含有量が多いです。
ビタミンEは強い抗酸化作用をもつほか、毛細血管を広げ、血液の流れをスムーズにする血行促進作用があります。
血行が促進されることで、血行不良による肩こりや腰痛、冷え性などの改善効果が期待できるでしょう。
また、食物繊維が豊富に含まれています。
食物繊維は、腸内の善玉菌を増やし、腸内環境を整えてくれます。
【おすすめ】
・冷え性の方
・エイジングケアを意識している方
・便秘を改善したい方
・肌荒れにお悩みの方
ココナッツミルク
キーワード:中鎖脂肪酸、カリウム、鉄、マグネシウムなどのミネラルが豊富
成熟したココナッツの種子の固形胚乳から抽出されています。
豊富な中鎖脂肪酸は、エネルギーに変わるスピードが早く、即効性の疲労回復効果があります。
さらに、体への脂肪の蓄積を防ぐ作用がありダイエットのサポートをします。
豊富に含まれるカリウムは体内の余分なナトリウムを排出してむくみを抑え、鉄分は貧血予防、マグネシウムは筋肉疲労をやわらげる効果が期待できます。
【おすすめ】
・ダイエットをしている方
・スポーツをしている方
・疲れやすい方
・貧血が気になる方
・むくみが気になる方
ライスミルク
キーワード:糖質、ビタミン、ミネラルが豊富
米が主原料のミルク。
米粉に水を加えたものや、お米を発酵させて液体状にしたものなどがあります。
白米を原料にしたライスミルクには、ビタミンB群が含まれています。
ビタミンB群は主に糖や脂質、タンパク質の代謝に関わる栄養素。
スムーズに代謝ができるようにサポートしてくれます。
ビタミンB1は体内の炭水化物(糖質)をエネルギーに変える重要な栄養素です。
神経をつかさどる脳に栄養をスムーズに送る作用から、仕事や勉強中の集中力や記憶力のアップに効果的だと言われます。
また、筋肉の疲労回復にも効果が期待されています。
さらに、むくみ解消に期待ができるカリウム、食物繊維も含まれています。
玄米を原料にしたライスミルクは白米と同様の栄養素が含まれているのに加え、玄米自体が白米よりもミネラルやビタミンも含有量が多いので、玄米を原料にして作ったライスミルクの方が栄養価の高いライスミルクになります。
玄米のライスミルクは、血糖値の上昇を緩やかにするため、満腹感が持続し食べ過ぎを防いでくれるためにこれもダイエットに効果が期待されています。
【おすすめな方】
・疲労回復をしたい方
・集中力をアップしたい方
・便秘気味の方
・むくみが気になる方
上記のミルク以外にも、必須アミノ酸が豊富な「ヘンプミルク」、大麦を使用している「バーリーミルク」、食物繊維が豊富な「フラックスミルク(亜麻仁)」、亜鉛が豊富な「カシューナッツミルク」などなど・・多様なプラントベースミルクが市場に出ていますね。
体にも地球にも優しい植物性ミルク。
ぜひライフスタイルに取り入れてみてください。
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栄養士・食育指導士・食の6次産業化プロデューサーlevel4
石原綾子
ヘルスケア分野での栄養指導、アグリビジネスのプロフェッショナル。
ミスワールド日本候補生に向けた講演会など、美や健康に特化した分野をフィールドに様々な活動を行なっている。
「食を通して心と身体を豊かにし、人と地域がつながる生き生きとした社会を実現する」を理念に掲げ2013年に、株式会社アイ・フィールドを設立、代表を務める。
各地域で野外レストランを開催する「DINING OUT」の食材TEAMや、ファッションブランドのプロジェクトに中心メンバーとして参画。
また、地域食材のPR、「健康」や「美容」に特化した商品開発プロデュース、ブランディング、コンセプト設計、食品衛生、販売促進プロモーション、研修企画運営等に携わっている。GRØNの商品開発では栄養面での監修を担当。消費者の健康に、より効果的に取り入れる方法を提案している。
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