体をいたわる秋の夜長の過ごし方 〜栄養士のColumn Vol.99
最近はすっかり秋めいてきました。
「秋の夜長」という言葉がありますが、この意味は、秋になって日照時間が短くなり、夜の時間が長くなることをいいます。
涼しくて心地よい季節でもあり、リラックスしたり、楽しいアクティビティを楽しむのに最適です。
好きな活動や趣味に合わせて楽しむことで、秋の魅力を最大限に味わえますよね。
季節の変わり目に不調が起こりやすい原因とは
過ごしやすい秋から冬にかけて、寒さもだんだんと強まってきます。
秋は季節の変わり目ということもあり、急激な気温の変化や、日照時間の減少により体内時計に影響を与える時期ともいえます。
体温調節が難しく、自律神経が乱れやすくなり不調を感じる方も多くなります。
また、季節的な変化が生活習慣に影響を与え、食事や運動習慣、睡眠パターンなどが変化してしまうことが不調の原因のひとつでもあります。
2つのサブシステムから成り立つ自律神経
私たちの体調やメンタルを左右する自律神経とは、体内の機能を調整し、自動的に制御する神経系の一部です。
この神経系は、心臓の鼓動、呼吸、消化、血圧、体温、代謝率など、体内のさまざまな生理学的プロセスを調整し、維持する役割を果たします。
自律神経は主に無意識的に働き、外部の意識や意思によって直接制御することは難しいです。
季節の変わり目やストレスなどによって、交感神経と副交感神経のバランスが崩れてしまうことも。
とても繊細な自律神経は、主に2つのサブシステムから成り立っています。
●交感神経系:「戦闘と逃走モード」
興奮や緊張時に活発化します。これにより、心拍数が増加し、血圧が上昇し、血糖値が上昇します。
また、筋肉の収縮や気管支の拡張など、エネルギーを消費するプロセスを促進します。
●副交感神経系:「休息と消化モード」
リラックスと安静な状態時に活発化します。心拍数や血圧を低下させ、消化活動を促進し、体を回復させます。
また、副交感神経は休息と睡眠に関連していることでも知られています。
これらの2つのサブシステムは、バランスを取りながら働き体の状態を調整します。
自律神経を整えるためのポイント
自律神経の働きを味方にできれば、心も体も快適な時間を過ごすことが出来ます。
長くなった夜を上手く活用して、以下にあげるポイントをぜひ実践してみてください。
■ バランスの取れた食事を摂り、栄養価の高い食品を選ぶ
野菜は、ビタミン、ミネラル、抗酸化物質を豊富に含む葉物野菜、赤・オレンジ・紫色の野菜、ブロッコリー、キャベツなどがおすすめです。
果物は、ベリー類(ブルーベリー、イチゴ、ラズベリー)などの抗酸化物質が豊富なものを選びましょう。
食物繊維を多く含むオート麦、全粒小麦、キヌアなどの全粒穀物を意識して。
高品質な脂質であるサケ、マグロ、チアシード、亜麻仁、くるみ、オリーブオイル、アボカドは自律神経の調整に役立ちます。
肉、魚、卵、豆類、ナッツ等のビタミンB群(B1、B3、B6、B12など)や、ヨーグルト、ほうれん草、アーモンド、チーズなどのマグネシウムやカルシウムは自律神経の正常な機能に不可欠です。
■ 巡りを良くする食事も大切
自律神経は全身の機能を調節していますが、その一つが血流の調節です。
交感神経が働くと血管が収縮し血流が悪くなります。
末端の毛細血管へ血液が行き渡らず、冷えやむくみ、疲れがとれにくくなります。
逆に血流の悪化は自律神経のバランスを乱す原因にもなります。
血流を良くすれば自律神経のバランスが整いやすくなるので、巡りを良くする食事も大切です。
オメガ-3脂肪酸(青魚、チアシード、亜麻仁、くるみなど)、ビタミンC(イチゴ、赤ピーマンなど)、抗酸化物質(ビタミンE、ビタミンA、ポリフェノールなど)、食物繊維(全粒穀物、豆類、リンゴ、キヌアなど)、ハーブとスパイス(ターメリック、シナモン、オレガノ、ヒハツ、ガーリックなど)も意識して摂取しましょう。
■十分な睡眠を確保する
睡眠を確保することは自律神経を整えるために不可欠です。
照明を出来るだけ落として寝室を快適な環境に整え、寝るための準備を整えましょう。
規則的な睡眠スケジュールを守ることも大切です。
■適度な運動をする
有酸素運動(ウォーキング、ジョギング、水泳など)やストレングストレーニングは、自律神経の調整に役立ちます。
週に数回、適度な運動を行うことで、副交感神経の活性化を促進します。
ただし、遅い時間の激しい運動は禁物です。夜はストレッチなど、体の緊張をほぐす程度の動きに留めましょう。
■リラックスをしましょう
深呼吸、瞑想などを日々の生活に取り入れましょう。
これらの方法は副交感神経を活性化します。
温かいお風呂やシャワーを浴びることで、体温を上げ、リラックス効果を得ることができます。
特に寒い季節に有効です。老廃物を流すように意識して、ボディトリートメントやマッサージなども取り入れてみてください。
■ストレス管理
ストレスは自律神経に大きな影響を与えることがあります。
ストレス管理技術を学び、ストレスを軽減する方法を見つけましょう。
趣味やリラックスする時間を持つことは、自律神経のバランスを取り戻すのに役立ちます。
身体の調整システムである自律神経を整えることは、とても大切なことです。
秋の夜長を贅沢なリラックスタイムにするために、アロマでゆったり夜の習慣をつけるのも良いですね。
秋が深まるにつれて夜が長く感じられるこの時期に、是非、自分自身のセルフケアを楽しんでください。
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和漢食材や米麹など伝統的な発酵食品をベースに、現代人に不足しがちな栄養素をバランス良く配合されています。
巡りを良くする「Holy Moly Green」と、眠りを促すクワンソウが配合された「Purple Yum Dream」を是非取り入れてみてください。
薬草の町・奈良県宇陀市の大和当帰葉を使った体を温めて巡りを整えるスープ。
大和当帰、昆布、米麹、ヒハツと香りや味わいが移ろう、滋味深いスープです。
世界が注目する長寿地域・沖縄の伝承食材を使った眠りと潤いへ導くスープ。
まろやかな甘みとほろ苦い香ばしさ、エキゾチックなスパイスの風味が特徴。
紅芋とココナッツの優しい甘みに、焙煎した黒豆やカラキ(琉球シナモン)、生姜のアクセントが効いています。
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栄養士・食育指導士・食の6次産業化プロデューサーlevel4
石原綾子
ヘルスケア分野での栄養指導、アグリビジネスのプロフェッショナル。
ミスワールド日本候補生に向けた講演会など、美や健康に特化した分野をフィールドに様々な活動を行なっている。
「食を通して心と身体を豊かにし、人と地域がつながる生き生きとした社会を実現する」を理念に掲げ2013年に、株式会社アイ・フィールドを設立、代表を務める。
各地域で野外レストランを開催する「DINING OUT」の食材TEAMや、ファッションブランドのプロジェクトに中心メンバーとして参画。
また、地域食材のPR、「健康」や「美容」に特化した商品開発プロデュース、ブランディング、コンセプト設計、食品衛生、販売促進プロモーション、研修企画運営等に携わっている。GRØNの商品開発では栄養面での監修を担当。消費者の健康に、より効果的に取り入れる方法を提案している。
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