ひなまつりについて 〜栄養士のColumn Vol.59
少しずつ暖かくなり、春の足音が少しずつ感じられる3月に入りました。
まもなくひなまつり。
「桃の節句」ともいわれ、女の子の健やかな成長や幸せを祈って、お祝いをする日について今回はお話させて頂きます。
ひなまつりの歴史
桃の節句の桃。
桃は「邪気を払う神聖な木」と考えられ、自然の生命力をもらうことで厄災を祓う「上巳の節句」が始まりとされています。
昔から、3月3日前後は季節の変わり目で、風邪をひきやすいなどの様々な理由から、邪鬼が入りやすく災いがもたらされやすい頃とされていました。
現在のひな人形が出てくるきっかけは平安時代ごろからそうで、雛人形に子供の幸せを願って、厄を受ける身代わりとなってもらい、健康を願うようになったと言われています。
ひなまつりに関する風習は地域によってさまざまなものがありますが、全国的によく見られるのは、立春以降の縁起の良い日にひな人形を飾り、3月3日頃に、ひなまつりならではのお供えものをいただきます。
冬から春へ変わる季節でもあり、体にうれしい栄養素も含まれる「ひなまつり」で食べる行事食を紹介します。
ひなまつりの料理と実は豊富な栄養素
■ちらし寿司
縁起の良い具材として、長生きのエビ、見通しがきくレンコン、豆に働ける豆などを使います。
緑色の春野菜や三つ葉、黄色の玉子、オレンジの人参なども飾ると、カラフルで彩りが華やかになります。
*栄養素について
甘酸っぱい酢飯と一緒に、さまざまな具材を楽しめるのが魅力的。疲労回復効果が期待できるお酢はもちろんのこと、タンパク質が豊富なエビや豆、玉子。食物繊維やビタミンCが豊富なレンコン。春野菜のビタミンミネラル豊富な菜の花で総合的に栄養素を摂取することができます。
■ハマグリのお吸い物
ハマグリの貝殻は、形や模様などが、対の貝殻しか合わないことから、仲のよい夫婦の象徴とされています。
良縁にめぐまれ、相性の良い結婚相手と結ばれて仲むつまじく過ごせるように、との願いが込められています。
*栄養素について
春に旬を迎えるハマグリには、カルシウムや鉄、亜鉛などのミネラル類が豊富に含まれています。
タウリンなどの疲労回復や肝機能強化に効果的な栄養も豊富です。
お吸い物は、溶け出した成分をそのまま飲み干せるので、 栄養を余すことなく取り入れることができます。
■菱餅(ひしもち)
色鮮やかな3色で構成され、特徴的な形である菱形は、菱の実が原型とされています。
諸説ある菱餅のカラフルな色。
解毒作用が期待できるクチナシの実で色付けされたピンクには、「魔除け」「先祖を尊ぶ心」といった意味が込められているとされています。
白には、「子孫繁栄」「長寿」「清浄」が祈願されているそうです。
そして、「厄除け」「健康」の意味を持つとされる緑は、増血作用があるとされる蓬(よもぎ)の新芽で色付けされています。
*栄養素について
よもぎ: よもぎは漢方にも使われることがあるほど、葉緑素や鉄、β‐カロテン、ビタミン、食物繊維など健康を総合的にサポートする成分が含まれ、貧血予防や便秘解消など期待されています。
■ひなあられ
元々神様にお供えしたお餅を細かくして煎ったものですので、昔は大変高価なお菓子でした。
かつて砂糖は貴重品であった為、砂糖を使ったお菓子は栄養価が高いとされ、1年中健康に過ごせるようにという願いが込められています。
3色や4色などのカラフルな色がついています。
3色の場合、桃色は「桃の花」、白は「雪」、緑は「新芽が広がる大地」をそれぞれ表しているそうです。
4色になると、3色に黄色が加わり、桃色は春、緑は夏、黄色は秋、白は冬。つまり「春夏秋冬を表しています。
■白酒
白酒は、みりんに蒸した米、麹を混ぜて熟成させたお酒です。
昔は桃の花びらを漬けた「桃花酒」というものが飲まれていました。
白酒はアルコールが含まれている為、子供は飲むことが出来ません。
子供も一緒に祝うひな祭りでは、白酒の代用として「甘酒」が飲まれることが最近は多くなりました。
*栄養素について
甘酒: ビタミンや食物繊維、アミノ酸など栄養素が豊富なことから「飲む点滴」と呼ばれています。
米麹甘酒 〜「飲む点滴」「飲む美容液」とも呼ばれるスーパーフード
カラフルでポップな色が目立つ食が華やぐひなまつり。
春を祝う華やかさに加えて、健康や幸せを願う様々な思いが伝わってきますね。
食卓を彩り豊かに、そして春の香りを感じながら、今年はひなまつりを楽しみましょう。
大地の緑、桃の色、GRØNの商品には甘酒が入っている商品もあります。
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栄養士・食育指導士・食の6次産業化プロデューサーlevel4
石原綾子
ヘルスケア分野での栄養指導、アグリビジネスのプロフェッショナル。
ミスワールド日本候補生に向けた講演会など、美や健康に特化した分野をフィールドに様々な活動を行なっている。
「食を通して心と身体を豊かにし、人と地域がつながる生き生きとした社会を実現する」を理念に掲げ2013年に、株式会社アイ・フィールドを設立、代表を務める。
各地域で野外レストランを開催する「DINING OUT」の食材TEAMや、ファッションブランドのプロジェクトに中心メンバーとして参画。
また、地域食材のPR、「健康」や「美容」に特化した商品開発プロデュース、ブランディング、コンセプト設計、食品衛生、販売促進プロモーション、研修企画運営等に携わっている。GRØNの商品開発では栄養面での監修を担当。消費者の健康に、より効果的に取り入れる方法を提案している。
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