母の体とプロテイン 〜栄養士のColumn Vol.39
もうすぐ母の日、お母さんに感謝しプレゼントを贈る方もいらっしゃると思います。
起源は諸説ありますが、日本の母の日の原型ともいわれているのが、アメリカに住むある少女のお話です。
100年ほど前のアメリカ・ウェストヴァージニア州で、アンナ・ジャービスという少女が亡き母を追悼するため、教会で白いカーネーションを配り、「みんなにも自分のお母さんを敬い、感謝する機会をもって欲しい」と考え、母の日を制定してもらうことを提案したのが始まりだそうです。
母に感謝をする日。
日本ではメッセージと共に、赤いカーネーションやプレゼントを贈ったりしています。
日頃から家族のために頑張っているお母さんにいつまでも健康でいてほしいですよね。
今回は「母の体」というキーワードで、必要な栄養素をまとめていきます。
新しくお母さんになる妊婦さんや、お子さんが成人して少し時間ができたお母さん、子育てを終えて自分の時間に向き合うようになったお母さん。
いろんなお母さんに共通して、タンパク質 プロテインを毎日積極的に摂取していただくことをおすすめします。
タンパク質は年齢を重ねるほど、体に欠かせない栄養素になります。
肌や髪、筋肉、骨、内臓など体の重要な要素を構成する栄養素であり、妊婦さんは、赤ちゃんと自分のために積極的に摂取したいですね。
また、更年期障害で悩むお母さんには、良質なタンパク質を中心とした食事内容にシフトし、日々生まれ変わる細胞の材料をしっかり取り入れることが良いと言われています。
また、筋肉トレーニングと合わせて摂取することで筋力を高め、脳やココロへ良い影響をもたらすとも言われています。
体を積極的にうごかすアクティブシニアといえど、加齢にともない筋肉量は減少していくと言われています。
筋肉量の減少を抑えるためには、筋肉量の維持・増大が必要です。
そのために食事で良質なタンパク質を摂取する必要があります。
タンパク質は、お肉やお魚、大豆製品、卵などに豊富に含まれますが、摂りにくい場合はプロテインで補っていくことも良いと思います。
タンパク質以外に必要な栄養素をまとめてみました。
■新しくお母さんになる妊婦さん
妊娠中はさまざまな栄養素の必要量が増えます。特に意識して摂りたいのが、葉酸、鉄分、カルシウム。
赤ちゃんの成長のためだけではなく、妊婦さん自身にとっても必要な栄養素です。
葉酸:
細胞の増殖に関わる栄養素で、特に赤ちゃんの細胞分裂が盛んな妊娠初期には欠かせない栄養素。
サプリメントや食品から積極的に摂取するのがポイントです。
ブロッコリーやホウレンソウ、枝豆、モロヘイヤ、いちご、キウイフルーツなどに多く含まれています。
鉄分:
貧血の中でも鉄欠乏性貧血の予防に欠かせない栄養素。
貧血は低出生体重や早産のリスクを上昇させることがわかっています。
また、頭痛やめまい、動機や息切れ、疲れやすいなどの症状になることも。
赤ちゃんのためにも、妊婦さん自身の体調管理にも貧血予防をしておくことがポイントです。
鉄には吸収率が高いヘム鉄と吸収率が低い非ヘム鉄の2種類があります。
非ヘム鉄はビタミンCとタンパク質と一緒に摂ることで吸収率が高まります。
参考記事: 貧血と冷え性とプロテイン 〜栄養士のColumn Vol.26
【ヘム鉄】 牛肉、いわし、カツオ、あさり、しじみなど
【非ヘム鉄】納豆、がんもどき、豆腐、小松菜、ホウレンソウなど
カルシウム:
赤ちゃんの骨や歯が作られる重要な栄養素。
20代~40代の女性はカルシウムが不足している傾向なので積極的に摂りたい栄養素。
牛乳や乳製品、スキムミルク、ヨーグルト、プロセスチーズ、木綿豆腐、厚揚げ、納豆、小松菜、切り干し大根等に多く含まれています。
■更年期
更年期とは閉経を挟んだ前後の約10年間と言われています。
個人差はありますが50歳前後で閉経する人が多く、45歳~55歳ごろのこの期間に起こる様々な体調不良や情緒不安定などの症状をまとめて更年期障害と呼んでいます。
具体的な症状として、のぼせ、顔のほてり、動機、発汗、頭痛、めまい、肩こり、腰痛、関節痛、疲れやすいなどの体の症状や、イライラする、不安定になる、不眠、気分の落ち込み、気力の低下などの心の症状があります。
この原因として、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が急激に減少することで症状がおこると考えられています。
エストロゲンの働きかけを失ってしまうことで、脂質異常症や高血圧、動脈硬化、骨粗しょう症のリスクが増えてしまうこともあるので、食事や運動習慣を見直すことがポイントになります。
この時期に意識して摂りたい栄養素は、大豆イソフラボン、トリプトファン、EPA・DHA、カルシウム、ビタミンDです。
大豆イソフラボン:
エストロゲンに似た働きをすると言われています。
更年期障害によるほてりやのぼせが出にくいという報告もあるそうです。そのほか骨粗しょう症の予防にもつながると言われています。
大豆、豆腐、納豆、おからなどに豊富に含まれています。ただし、摂りすぎることで子宮内膜症などのリスクが上がる可能性もあるので適切な量を摂取することが望ましいです。
参考記事: 動物性、植物性プロテインの違い 〜栄養士のColumn Vol.4
トリプトファン:
幸せホルモンと言われているセロトニン。
このセロトニンの材料になるのがトリプトファンです。
セロトニンが低下してしまうと、イライラや怒りやすくなったり、不安や落ち込みが激しくなったりしてしまいます。
必須アミノ酸のひとつでもあり、体内で合成できないので毎日の食事から摂取することがポイントです。
牛乳やチーズ、きなこ、大豆、豆腐、鶏むね肉、鶏ささみなどに豊富に含まれています。
アミノ酸とその役割 〜栄養士のColumn Vol.20
EPA・DHA:
悪性のコレステロールを減らすことや血圧を下げたり、動脈硬化の原因である血栓を防ぐことに期待ができる栄養素です。
いわしやサバ、さんまなどの青魚に豊富に含まれています。
カルシウム:
丈夫な骨を保つ働きがあります。
更年期を境に、骨がもろくなる骨粗鬆症のリスクも増加しますので積極的に摂りたい栄養素です。
牛乳、チーズ、ヨーグルト、豆腐、ちりめんじゃこ、煮干しなどに含まれています。
ビタミンD:
骨粗しょう症予防に必要な栄養素です。
カルシウムが小腸で吸収されるのを助けるのと同時に、カルシウムの血中濃度を一定に保つ働きをもち、骨の健康維持に非常に重要な役割を果たします。
最近の研究では、筋力やバランス力も高め、転倒や骨折を防ぐ効果があることがわかってきたそうです。
参考記事: 太陽のビタミン「ビタミンD」の効果 〜栄養士のColumn Vol.37
■アクティブシニア
年齢にとらわれず、自分のやりたいことに意欲的に取り組む活動的なシニア層。
ただ、加齢にともなう筋力や筋肉量の減少などの自然な老衰現象があります。食べることが面倒、同じものばかり食べる、食べるという行為に興味がなくなってしまいなど、低栄養状態の体になることも。
バランスの良い食事をとることがとても重要になります。
お母さんがいつまでも元気でいてほしい。
カルシウムやタンパク質の摂取など、ビタミンDと相性が良い栄養素の補給に。
そんなお母さんへ手軽においしくタンパク質をとれる【植物性プロテインでスーパーフード配合のGRØN】をプレゼントしてみるのも良いですね。
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栄養士・食育指導士・食の6次産業化プロデューサーlevel4
石原綾子
ヘルスケア分野での栄養指導、アグリビジネスのプロフェッショナル。
ミスワールド日本候補生に向けた講演会など、美や健康に特化した分野をフィールドに様々な活動を行なっている。
「食を通して心と身体を豊かにし、人と地域がつながる生き生きとした社会を実現する」を理念に掲げ2013年に、株式会社アイ・フィールドを設立、代表を務める。
各地域で野外レストランを開催する「DINING OUT」の食材TEAMや、ファッションブランドのプロジェクトに中心メンバーとして参画。
また、地域食材のPR、「健康」や「美容」に特化した商品開発プロデュース、ブランディング、コンセプト設計、食品衛生、販売促進プロモーション、研修企画運営等に携わっている。GRØNの商品開発では栄養面での監修を担当。消費者の健康に、より効果的に取り入れる方法を提案している。
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