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貧血と冷え性とプロテイン 〜栄養士のColumn Vol.26

貧血と冷え性とプロテイン 〜栄養士のColumn Vol.26

すっかり秋めいてきましたこの頃。
なんだか最近疲れやすいな、だるいな、と感じることはありませんか?

肉・魚をあまり食べない、炭水化物が中心の食事をしている、コンビニごはんやインスタント食品が多い、ダイエットで食事制限をしている、食事中にいつもお茶を飲む、、このような食生活をしている方は、もしかしたら、鉄分不足の可能性があります。

鉄分は、血液中で酸素を運ぶ役割をもつ「ヘモグロビン」をつくる重要な成分の1つです。
鉄分が不足するとヘモグロビンをうまく生成できず、カラダが貧血状態に。
この状態がだるさや疲労感などを引き起こします。

赤血球に含まれるヘモグロビンは酸素の運搬という役割があり、少ないと体中に酸素がうまく行き渡らなくなります。
全身の細胞に酸素が行き渡りにくくなり、息切れ、肩コリなどの症状にさらされることも。
さらに、血行不良による冷えという症状が起きてしまいます。

冷えは、頭痛、腹痛なども起こし、だるさやむくみにもつながります。
個人差はありますが、冷え性は女性に多い症状と言われていますね。
それは、女性は男性に比べると、熱を作り出す筋肉が少ない、皮膚の表面温度が低い、低血圧の人が多いことなどがその理由と考えられています。
また、月経の影響などで、腹部の血流が滞りやすいといったことも、女性に冷え性が多い理由と言われています。
貧血と血行不良・冷え性は密接な関わりがありますね。

まず、貧血にはいろんな種類があります。

● 鉄欠乏性貧血
鉄欠乏性貧血
貧血のほとんどを占める。鉄の不足により、ヘモグロビンの合成が低下して起こる。
女性に多く見られる。

● 再生不良性貧血
骨髄の造血幹細胞機能不全により、血液が産生できなくなって起こる貧血。

● 巨赤芽球性貧血
ビタミンB12または葉酸の不足により、赤血球の増殖に異常をきたして起こる貧血。

● 溶血性貧血
赤血球の破壊によって起こる貧血。

女性の貧血の中で多いのは、鉄不足の「鉄欠乏性貧血」です。
ダイエットや偏食などによる鉄の摂取不足や、妊娠・授乳などによる鉄の必要量の増加、胃切除・胃酸分泌低下などによる鉄の吸収低下、月経過多・潰瘍・痔など失血による鉄の排泄増加が原因となります。

日本人の成人女性が1日に必要とする鉄の量は5.0~9.0mgですが、月経のある女性は、毎月20~30mgの鉄分を失っています。
いろいろな食品を組み合わせて鉄を効果的に栄養バランスのよい食事を摂ることがポイントになります。

・貧血予防のポイント

まずは、食生活の中で鉄分を多く含む食材を意識することです。
鉄分はレバーやしじみなど動物性食品に多く含まれるヘム鉄と、ほうれん草やひじきなどの野菜や穀物類に多く含まれる非ヘム鉄の2種類に分けられます。
同じ鉄分ですが、ヘム鉄と非ヘム鉄では吸収率が異なります。
非ヘム鉄が5%程度であるのに対し、ヘム鉄は20%から30%程度と約4倍~6倍も高いんです。

・ヘム鉄を多く含む食品

肉類(豚肉・牛肉・鶏肉など)、内臓類およびレバー製品(鶏レバーなど)、魚類(かつお、いわし、まぐろなど特に血合い部分)、卵黄(生)、貝類(しじみ、あさりなど)など

・非ヘム鉄を多く含む食品
豆類(大豆、きな粉、あずきなど)、緑黄色野菜(ほうれん草、小松菜など)、海藻類(ひじき、あさりなど)、果物(プルーン、レーズンなど)、ごまなど

非ヘム鉄は、単品だと吸収されにくいのですが、ビタミンCや梅干しに含まれるクエン酸や酢と一緒にとることで吸収率が高まります。
また、ヘム鉄と一緒にとっても吸収がUPするので、レモン汁をかけたり、酢の物をプラスしたり、肉や魚、卵などとセットで食べるようにすることがポイントです。

鉄分の高い食品以外に摂るべき栄養素は、タンパク質です。
タンパク質は、血液中の赤血球やヘモグロビンの材料となる大切な栄養素。
良質のたんぱく質を含む食品とは、魚介類、肉類、卵、大豆製品、乳製品などです。
鉄分も含みタンパク質も含むバランスが良い食材は大豆製品です。
一度にたくさんとっても体の中に貯めておくことはできませんので、毎食主菜にとりいれて食べるようにしましょう。

また、造血や鉄の吸収にかかせないビタミンB2、B6、B12、葉酸や、丈夫な赤血球を作るために必要な亜鉛なども意識した食事がポイントになります。
鉄を利用した調理器具などで調理することも良いと言われています。

<葉酸について>

葉酸は、「造血のビタミン」とも言われています。
野菜に多く含まれていて、特に妊活中の方や妊婦さんには欠かせないビタミンで、妊娠前の約2倍量が必要だと言われています。
赤血球を作る葉酸は、ビタミンB12とともに正常な赤血球をつくるために働き貧血予防や、タンパク質の合成タンパク質を構成するアミノ酸の一種であるホモシステインのメチオニンへの代謝にかかわっています。
不足が続いた場合、皮膚炎や肌荒れを引き起こしたり、成長期の子供では悪性貧血、妊婦では胎児の神経管欠損を招くことがあります。
ビタミンB12と一緒に摂ることで造血作用などの効果を発揮します。

鉄分の摂取の注意点は、緑茶やコーヒー、紅茶、ウーロン茶、コーヒーなどに含まれる渋み成分タンニンを控えること。タンニンは、鉄吸収を阻害してしまいます。
食事中や食後の水分補給は、一番は水がおすすめです。
飲むタイミングやお茶の種類を意識しましょう。

鉄分は血液の中で酸素を運ぶ役割を担う成分。
鉄分が不足したカラダだと、内臓や筋肉の機能が低下すると代謝も低下してしまいます。
その結果として熱を十分に生み出せなくなり、冷えやすいカラダになってしまうのです。
人が寒さを感じない温度なのに手足などが冷たくてつらく感じる症状が「冷え性」です。

“冷えは万病の元”という言葉があるとおり、カラダの冷えは、・肩こりや首のこり ・腰痛 ・膀胱炎 ・生理不順 ・風邪を引きやすい・アレルギー ・肌荒れ ・手足のむくみ ・頭痛 ・イライラ ・不眠 などを引き起こします。また、冷え性により血流が悪くなると、生理痛が悪化することもあります。

人間のカラダは内臓のある中心部を常に一定温度に保つために、環境の変化に応じて体温調節をしています。
冷え性の原因としてはいくつかあります。

極度な食事制限:
ダイエットのため食べる量を極端に減らすと、体温を維持するためのエネルギーが十分に補給されません。

筋肉量が少ない:
運動不足によって筋肉量が少ないことも原因になります。
カラダに必要な「熱」を十分に作り出せなくなり、筋肉が少ない人は筋肉運動で熱を作り出しにくくなります。

血流が悪い:
低血圧(血液を全身に流れさせる力が弱い)や貧血(血液の量が少ない)など、血流が悪くなると、作り出した熱をカラダの隅々までうまく運べなくなってしまいます。

自律神経の働きが低下:
ストレスや不規則な生活等で自律神経の働きが低下することで、体温調節の指令が体の各器官にうまく送られなくなってしまいます。

冷え予防のポイント
冷え性に効果的な栄養成分は、以下のような成分です。
食事の中に摂り入れることがおススメです。

1. タンパク質:
タンパク質は熱をつくるのに欠かせない存在です。
胃で消化される時や、分解されてできたアミノ酸が肝臓で更に分解される時に、たくさんの熱を生み出します。
また、筋力UPにつながることで、熱量がUPし冷え対策になります。

2. ビタミンC:
血液の主要な材料となる鉄分の吸収を促進し、毛細血管の機能を保持するはたらきがあります。

3, ビタミンE:
血行を良くするはたらきと、体内のホルモン分泌を調節する働きがあります。

4. 鉄分:カラダ中に酸素を運搬するヘモグロビンの原料となる栄養素。
鉄分を摂ることで、カラダ中に酸素がしっかりといきわたり新陳代謝が高まるため、冷え性改善につながります。

カラダを温める食材として、寒い地方や冬に採れる野菜などはカラダを温める食べ物と言われています。

生姜・にんにく・長ネギ・玉ねぎ・ニラなど臭いの強い野菜や、ごぼう・カブ・大根などの根菜類、胡椒・唐辛子などの香辛料、米・もち米・いわし・エビ・牛肉・鶏肉・羊肉・さつまいも・山芋などです。

とくに注目は、生姜はカラダを温めてくれる食材ですね。
生姜には、主に血流を良くし体を温める成分(ショウガオール)と、免疫力や殺菌力を高める成分(ジンゲロール)が含まれています。
ショウガオールは、乾燥した生姜や加熱した生姜に含まれ、胃腸を刺激して血流を活発にさせ、カラダの深部から温める作用があると言われています。
生の生姜のジンゲロールには血管を拡張させる働きがあり、カラダの隅々まで血液を行き渡らせます。

また食事だけではなく、運動や入浴で血行を良くすることも大切です。
運動習慣をつけると代謝が高まり、血行がよくなります。
また、40~42℃の湯船に5~10分ほど浸かることで、カラダが温まるだけでなく全身のこりも改善されます。

冷えと貧血が同時に起きている時は、貧血を対策することで、冷えも改善することができます。
食生活で改善することはとても難しいと感じる方には、サプリメントや栄養補助食品で補うことも必要です。
そんな方におススメなのは、GRØNのRed Heat。

大豆のプロテインパウダーに、冷え性に期待できる有機クコの実、ビタミン、ミネラル、ポリフェノールを含むマカ、「食べる輸血」と呼ばれるビーツ、紅芋などの根菜類を配合。

貧血と冷えの両方にアプローチした成分が含まれていますので、朝食時や夕食時などにお飲み頂くことがおススメです。

<関連するGRØNの製品>

プロテインブレンド レッドヒート 20g / 320円(税別)

 

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栄養士・食育指導士・食の6次産業化プロデューサーlevel4
石原綾子

ヘルスケア分野での栄養指導、アグリビジネスのプロフェッショナル。
ミスワールド日本候補生に向けた講演会など、美や健康に特化した分野をフィールドに様々な活動を行なっている。

「食を通して心と身体を豊かにし、人と地域がつながる生き生きとした社会を実現する」を理念に掲げ2013年に、株式会社アイ・フィールドを設立、代表を務める。
各地域で野外レストランを開催する「DINING OUT」の食材TEAMや、ファッションブランドのプロジェクトに中心メンバーとして参画。
また、地域食材のPR、「健康」や「美容」に特化した商品開発プロデュース、ブランディング、コンセプト設計、食品衛生、販売促進プロモーション、研修企画運営等に携わっている。GRØNの商品開発では栄養面での監修を担当。消費者の健康に、より効果的に取り入れる方法を提案している。

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ABOUT US私たちについて

身体の中で旅をする。
植物性プロテインとスープ。

食の未来はいにしえの叡智にあり。
力強く息づく植物、人々と触れる中でこの教えに辿り着きました。

飛行機から降り立った瞬間、知らない土地の香りに出会うように、
立ち並ぶ大きなビル街に反射する光に負けないように、
GRØNはあなたの身体の中で旅をします。

目まぐるしく過ぎる日々を支えるこの一杯で、
自分本来のエネルギーを取り戻してください。