免疫力も整え、日中も元気に。 効率的な睡眠のメカニズム! 〜栄養士のColumn Vol.18 (前編)
前回は「免疫」についてご紹介しました。
免疫力について 〜栄養士のColumn Vol.17免疫力について 〜栄養士のColumn Vol.17
免疫力を上げるためにとご紹介した、3つの生活習慣のポイント「睡眠」「食事」「ストレス」。
その中の「睡眠」ににフォーカスし、良質な睡眠を手に入れるためのポイントをお伝えします。
睡眠は、脳やカラダを休め、活力を蓄える大切な時間です。
質の良い睡眠を取ることで、朝スッキリと目覚め、カラダや心に良い影響を与えると言われています。
睡眠には、レム睡眠とノンレム睡眠の2種類あると言われています。この2つはセットになっていて、一晩に4〜5回、一定のリズムで繰り返しているそうです。
1. レム睡眠
カラダは眠っていても、脳は覚醒に近い状態で活動している浅い眠り。夢を見ているときは、レム睡眠中のとき。目覚めの準備段階をしています。レム睡眠時に目覚めると脳がスッキリ。
2. ノンレム睡眠
大脳もカラダも熟睡している深い眠り。ノンレム睡眠中に起きると目覚めが悪くなる。
この2つの睡眠をバランスよく取ることができれば、質の良い睡眠だと言われています。
しかし、この質の良い眠りをとることができていない方が多くいらっしゃいます。
「眠れない日が続く」などの睡眠問題が1か月以上続く方は不眠症という病気の可能性もあります。不眠症は主に、日中に倦怠感・意欲低下・集中力低下・食欲低下などの不調が出現してしまうことがあります。
寝つきの悪い、眠りが浅く途中で何度も目が覚める、早朝に目が覚めてしまう、ぐっすり眠れたという満足感が得られないなどがある場合は注意が必要です。
不眠の症状の原因として、一番の原因はストレスと言われています。
何か大きな悩みを抱えるようになったり、悩みが解決できず、ずっとそのことばかりを考えてしまうなど、現代のストレス社会と呼ばれる環境では多く悩みを抱える方も。
それ以外には、アルコールやカフェインによる覚醒、PCやスマホ画面から発せられるブルーライトによる覚醒、室温が適切でないなどが挙げられます。
また、「たくさん寝ているのにスッキリしないしだるさがある」という方もいらっしゃるかと思います。
こういう方は、まず生活リズムが崩れてしまっています。
寝過ぎてだるさを感じる原因は自律神経にあると考えられています。
自律神経とは交感神経と副交感神経からなる神経で、生命維持に必要な働きをしています。
交感神経は昼間の活発な状態の時に優位になっていて、副交感神経は夜間にリラックスしている際に優位になる神経です。
この2つの神経はバランスよく働いているのが良い状態です。
ところが、朝起きた時、交感神経が優位になるべきところが、寝過ぎてしまうことで副交感神経が優位な状態が長く続き、朝から、だるさや倦怠感、眠気が生じてしまいます。
寝すぎの原因としては、極度の疲労や慢性的な睡眠不足の可能性があります。時間ではなく、質の良い眠りを確保することがとても重要です。
良い睡眠をとるための工夫をご紹介します。
1. 夜寝る前のアルコールはNG
アルコールはリラックス効果があり、入眠を助けるとも言われている一方、体内で分解される際に交感神経を刺激するため覚醒作用が働き、夜中に目が覚めやすくなります。
飲む場合は寝る3時間前までにしましょう。
2. 寝る前のカフェインはNG
カフェインの作用として、アデノシンという鎮静効果のある神経伝達物質が脳内で伝達されるのをブロックします。
つまり、鎮静を妨げ覚醒効果をもたらし、眠気を抑えて、睡眠を遠ざけてしまいます。
カフェインは一度摂取すると長いあいだ体の中に残り続けますので、できれば夕方以降は摂取を控えることが良い眠りにつけるポイントになります。
カフェインを多く含む飲み物として、コーヒー・栄養ドリンク・エナジードリンク・玉露などです。
・寝る前のスマホやPCはNG
スマホやPCの画面の光は「ブルーライト」と呼ばれ、睡眠の質を下げる可能性があります。
ブルーライトの波長は目を通じて脳を覚醒させ、入眠や深い睡眠の妨げになると言われます。
・室温は適切な室温に
暑くて寝ることができない、寒くて寝ることができない等経験があると思います。
寝る際の室温を適切な温度に調節することで睡眠の質を上げることができると言われています。
・寝る前のリラックス
自律神経を整えることを意識して、バスタイムやストレッチでリラックスを。
半身浴やアロマをたいて自分が好きな香りで癒されるのもおススメです。
・部屋の照明を暗く
就寝前の寝室の照明は暗くすることがおススメです。
明るくしないと眠れないという方もいらっしゃいますが、明るい部屋で眠ることは睡眠の質を低下させます。
・寝る前の呼吸
お腹を膨らますイメージで、鼻からゆっくりと息を吸い込み、吐くときはゆっくりと口から息を出す腹式呼吸を。
副交感神経を働かせるために最も簡単で効果的です。血行がよくなるだけでなく、睡眠に入るペースを整えやすくなります。
・朝起きたら、光を浴びる
朝、起きたら明るい光を浴びること。これによって、交感神経のスイッチが入り脳内の神経伝達物質「セロトニン」が作られます。セロトニンは睡眠ホルモン「メラトニン」の素となり、夜になるとその働きで眠くなります。
・良い睡眠を得るための食事のポイント
私たちの体は、毎日の食事により作られ、代謝をくり返しています。
食事により体の内側から快眠体質へ変えていくこともポイントです。
バランスの食事はもちろん、食べ方などにも意識をしていきましょう。
特に夕食は、就寝3時間前にすませることが重要です。
消化によりカラダに負担がかかるため、安眠ができなくなってしまいます。どうしても夕食が遅くなってしまう場合は油っこいものは避け、キャベツ、にんじん、カブなどの消化の良い野菜などを選ぶようにしましょう。
また、飲み物はノンカフェインの麦茶、そば茶、黒豆茶、ハーブティー、ルイボスティー、白湯、ノンカフェインコーヒー等が良いです。
後編では、より良い睡眠を得るための栄養素と、それらを多く含む食事、もたらす効果についてをご紹介をします。
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睡眠の質を上げるための食事について 〜栄養士のColumn Vol.18 (後編)
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栄養士・食育指導士・食の6次産業化プロデューサーlevel4
石原綾子
ヘルスケア分野での栄養指導、アグリビジネスのプロフェッショナル。
ミスワールド日本候補生に向けた講演会など、美や健康に特化した分野をフィールドに様々な活動を行なっている。
「食を通して心と身体を豊かにし、人と地域がつながる生き生きとした社会を実現する」を理念に掲げ2013年に、株式会社アイ・フィールドを設立、代表を務める。
各地域で野外レストランを開催する「DINING OUT」の食材TEAMや、ファッションブランドのプロジェクトに中心メンバーとして参画。
また、地域食材のPR、「健康」や「美容」に特化した商品開発プロデュース、ブランディング、コンセプト設計、食品衛生、販売促進プロモーション、研修企画運営等に携わっている。GRØNの商品開発では栄養面での監修を担当。消費者の健康に、より効果的に取り入れる方法を提案している。
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