血中アミノ酸濃度について 〜栄養士のColumn Vol.70
体づくりに欠かせないタンパク質。
筋肉は勿論ですが、臓器や皮膚、髪の毛などを構成する大切な栄養素としてお話をして来ました。
そんなタンパク質が体内へと吸収されて、分解されて生まれるのがアミノ酸です。
今回のコラムでは、そんなアミノ酸が体内へ入ってから心がけるべき大切なこと、アミノ酸濃度について、お話していきます。
筋肉のメカニズム
基礎代謝の低下や、免疫力の低下など。
アミノ酸不足からなる、筋肉量の低下は様々なマイナス症状を体に引き起こします。
では健康な体を保つために、どうしたら効果的に筋肉がつけられるのでしょうか。
筋肉のメカニズムを理解することから考えていきましょう。
私たちの筋肉は、アナボリックとカタボリックと呼ばれる状態を繰り返して成長していきます。
アナボリックは筋肉を合成する(増加する)状態、カタボリックはその逆で筋肉を分解する(減少する)状態を指します。
つまり体がアナボリックに傾くと筋肉量を増え、カタボリックに傾くと筋肉は減少していくということです。
筋肉の生成と血中アミノ酸濃度
ここで登場するのが、血液中のアミノ酸の濃度「血中アミノ酸濃度」です。
血中アミノ酸濃度は、筋肉が増加するアナボリックの状態では数値は高く、筋肉が減少するカタボリックの状態では数値は低くなります。
精神的なストレスを抱えたり、過剰な運動をするなど、他にも体がカタボリックに傾く要素はありますが
健康な体を保つため、すなわち筋肉量を増やすためには、血中アミノ酸濃度の数値を高く保つ意識をすることが大切です。
体内に蓄えられないアミノ酸
アミノ酸は脂肪のように体内に蓄えることができません。
そのため血中アミノ酸濃度を高く保つためには、その源となるタンパク質やアミノ酸を、食事やサプリメントを通して、こまめに体内へ取り込むことが大切です。
運動前や就寝前など、次の摂取まで時間が空いてしまう時には植物性タンパク質をとりましょう。
植物性タンパク質は動物性タンパク質と比べ、ゆっくりと体内に吸収され、血中アミノ酸濃度も長時間維持します。
せっかく合成した筋肉の分解を抑えるためにも、心がけてみるといいでしょう。
空腹な状態での運動は非効率的
筋肉減少の恐れがあるため、空腹状態での運動はお勧めしません。
運動をする上でのエネルギーは、糖質や脂質がエネルギーとして優先に使われます。
ただ空腹時など、糖質も脂質も足りていない状態で運動をはじめると、筋肉の中にあるタンパク質を、エネルギーを生む材料として分解して使ってしまうからです。
またプロテインに関しても、運動後の摂取に目がいきがちですが、運動前の摂取も大切です。
体内のアミノ酸濃度が低いカタボリックな状態では、運動しても効率的に筋肉が合成されないことを頭に置いておきましょう。
健康的な生活を維持するためには、適度な筋肉量は欠かせません。
そんな筋肉を失わず、効率的に体内へと合成するためにと、「アミノ酸濃度」に意識を向けて日々の生活を改めてみましょう。
同じ運動量、同じ食事の量をとりながらでも体や体調の変化が見えてくるかもしれません。
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栄養士・食育指導士・食の6次産業化プロデューサーlevel4
石原綾子
ヘルスケア分野での栄養指導、アグリビジネスのプロフェッショナル。
ミスワールド日本候補生に向けた講演会など、美や健康に特化した分野をフィールドに様々な活動を行なっている。
「食を通して心と身体を豊かにし、人と地域がつながる生き生きとした社会を実現する」を理念に掲げ2013年に、株式会社アイ・フィールドを設立、代表を務める。
各地域で野外レストランを開催する「DINING OUT」の食材TEAMや、ファッションブランドのプロジェクトに中心メンバーとして参画。
また、地域食材のPR、「健康」や「美容」に特化した商品開発プロデュース、ブランディング、コンセプト設計、食品衛生、販売促進プロモーション、研修企画運営等に携わっている。GRØNの商品開発では栄養面での監修を担当。消費者の健康に、より効果的に取り入れる方法を提案している。
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