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花粉症について 〜栄養士のColumn Vol.60

花粉症について 〜栄養士のColumn Vol.60

寒い冬に終わりを告げ、春の訪れを祝う間もなくやってくるあの季節。
花粉シーズンの到来です。
そんな花粉が招く、「花粉症」をテーマに今回はお話をしていきます。

花粉症の症状と、そのメカニズム

花粉症は、スギやヒノキ、草花などから出る花粉が原因で発症する、アレルギー性の病気です。
くしゃみ、鼻みず、鼻づまり、目のかゆみ、涙目、肌荒れなど、さまざまな症状を引き起こします。

花粉を吸い込むと、なぜそんな症状が生まれるのか。
それは体に侵入したスギやヒノキの花粉を、体内の免疫システムが「異物」とみなすことによってはじまります。

「異物」とみなした際、体内では抗体(IgE抗体)が作り出され、これらは少しづつ蓄積されていきます。
抗体(IgE抗体)が蓄積量の限界を超えて、さらに花粉が体内に入ってきたときに、アレルギー反応を起こすヒスタミン(体内に存在する物質で、普段は風邪やウイルスなど悪いものから体を守る働き)などの化学物質が分泌され、くしゃみや鼻水、鼻づまりといった花粉症の症状を引き起こすと言われています。

蓄積量の限界値が異なるので、症状や辛さも人それぞれ。
集中力の低下や睡眠不足、倦怠感など、仕事や勉強さらには日常生活に支障を来たすほどの症状に悩む人も多く存在します。

そんな方に向けて、この季節に取り入れるべきおすすめのスーパーフードとハーブ、心がけるべき食習慣を紹介していきます。

花粉症の方におすすめのスーパーフードとハーブ

【スーパーフード】

ビーポレン
ミツバチが花の蜜を集める際に蜜と花粉を混ぜ固めたもので、海外ではポピュラーな花粉対策のスーパーフード。
アミノ酸やビタミン、ミネラルなどのさまざまな栄養素を含み、そのまま食べることもできますが、ヨーグルトやシリアル、サラダやスイーツのトッピングとして利用します。
栄養価が損なわれてしまうので、基本的には非加熱で摂取。
ヒスタミンを抑制する効果があると言われており、アレルギー症状に対して効果が認められています。
アレルギー反応の事例があるので、初めてトライする際には医師に相談したり、少量の摂取をおすすめします。

マキベリー
抗酸化作用、抗炎症作用などの働きがある「アントシアニン」を豊富に含んでおり、アントシアニンがヒスタミンを減少させる働きがあります。
このことから、花粉症を予防すると期待されています。

スピルリナ
β-カロテンや鉄、カルシウム、アミノ酸、葉酸、食物繊維などが豊富に含まれている藍藻類の一種。
総合的に栄養素を摂取でき、抗酸化作用、血液の浄化や腸のデトックスに役立ちます。
免疫力が高まる効果や抗炎症作用、アレルギー症状緩和作用も確認されています。
前述したIgE抗体を抑制するように働きかけたり、花粉を体外へ追い出すときに役立つIgA抗体の活性もサポートする働きもあるそうです。

モリンガ
モリンガはバランスのとれた豊富な栄養素を含んでいる樹木であることから、「奇跡の木」や「生命の木」と呼ばれており、アレルギーを抑制する作用があります。

【ハーブ類】
ハーブティーを飲むことによって症状を軽減することが期待できます。

ネトル
血液の汚れを浄化し、鼻づまりや涙目の症状を和らげる働きがあるとされています。

レモンバーム
レモンバームに多く含まれる「ロズマリン酸」は、 アレルギー症状のもととなるヒスタミンの分泌を抑える働きが高く注目されています。

エルダーフラワー
粘膜や毛細血管の炎症を鎮める働きがあり、くしゃみや鼻水などの花粉症の代表的な症状を和らげてくれます。

ペパーミント
さわやかな香りのメントールが鼻づまりを軽減させます。
抗菌作用や抗炎症作用もあり、呼吸器系のトラブルにも効果的です。

カモミール
気分をリラックスさせ、抗ヒスタミン作用でアレルギー症状を軽減してくれます。

花粉症の方におすすめの食習慣

花粉症の方が心がけるべき、ポイントは主に二つ。
症状を発生させないための免疫力を強化することと、症状が発生してしまったときの症状を暖和させること。
この二つにアプローチする代表的な食事について説明をしていきます。

【免疫力を強化するための食事】

ヨーグルトや乳酸菌飲料
善玉菌として知られる乳酸菌を多く含むこれらの食材。
腸内細菌のバランスを整えることで、免疫機能が向上し、花粉症の症状が改善すると言われています。
健康な腸をつくることが、免疫力をあげることへと繋がります。

ごぼう、きのこ類、レタス等
善玉菌のエサとなる食物繊維を多く含むので、善玉菌を増やす働きを助けます。
また、きのこ類はビタミンDを豊富に含み、免疫のバランスを整える効果があるといわれています。
栄養バランスのとれた食事が免疫力の向上につながります。

加工食品を避け、バランスの取れた食事をする
脂質の多い食品や加工食品は、善玉菌を減らす悪玉菌を腸内に増やしてしまいます。
過剰摂取は避けましょう。

【アレルギー症状を和らげるための食事】

チョコレート、コーヒー、ココア、赤ワイン、たまねぎ、甜茶、ルイボスティー等
つまりは、ポリフェノールを豊富に含む食材です。
体に悪影響を及ぼす活性酸素を抑制するポリフェノールは、免疫機能に作用してアレルギー反応を引き起こすヒスタミンの生成を抑える働きがあります。

サバ、イワシ、サンマ、アジ等の青魚
青魚はDHA・EPAを豊富に含む食材です。
DHA・EPAはポリフェノール同様、アレルギー反応を引き起こすヒスタミンの働きを抑えると言われています。

緑茶
緑茶に多く含まれるカテキンには、アレルギー抑制効果があるとされています。
なかでも「べにふうき」に多く含まれる茶カテキンの一種であるメチル化カテキンは、花粉症アレルギーへの緩和作用があるとされています。

【避けた方がいい食べ物】

体を冷やす食べ物
体を冷やす食材は、花粉症の症状が緩和しづらくなってしまうこともありますので注意が必要です。

アルコール類
症状がひどい方は、アルコールをできるだけ控えることが大切です。
飲酒によって鼻づまりや目の充血などの症状が強くなり、アルコールが体内で分解されるときに産生されるアセトアルデヒドという物質には、アレルギー症状を引き起こすヒスタミンの放出を促す作用があるため、くしゃみや鼻づまりも悪化します。

粘膜を刺激する食べ物
香辛料など刺激の強い食物は、鼻の粘膜を刺激するため、アレルギー反応を促進させる恐れがあります。なるべく摂取は控えるようにしましょう。

日常生活において花粉症対策に重要となるのは、花粉を侵入させない、溜めない、アレルギー反応を緩めることです。
洗濯物の外干しをできるだけ控え、玄関で衣服についた花粉を落とし、帰宅後すぐにシャワーを浴びるなどをしましょう。
また、入浴で身体を温め、好きな香りでお部屋をリラックス空間にするなどのケアもおすすめです。
花粉症を少しでも緩和できるように、ライフスタイルを見直してみてはいかがでしょうか。

おすすめのスーパーフード
マキベリーが入ったクリオロベリーズ、スピルリナが入ったグリーンモンスター、モリンガが入った抹茶オールスターズはこちらから。

 

 



 

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栄養士・食育指導士・食の6次産業化プロデューサーlevel4
石原綾子

ヘルスケア分野での栄養指導、アグリビジネスのプロフェッショナル。
ミスワールド日本候補生に向けた講演会など、美や健康に特化した分野をフィールドに様々な活動を行なっている。

「食を通して心と身体を豊かにし、人と地域がつながる生き生きとした社会を実現する」を理念に掲げ2013年に、株式会社アイ・フィールドを設立、代表を務める。
各地域で野外レストランを開催する「DINING OUT」の食材TEAMや、ファッションブランドのプロジェクトに中心メンバーとして参画。
また、地域食材のPR、「健康」や「美容」に特化した商品開発プロデュース、ブランディング、コンセプト設計、食品衛生、販売促進プロモーション、研修企画運営等に携わっている。GRØNの商品開発では栄養面での監修を担当。消費者の健康に、より効果的に取り入れる方法を提案している。

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ABOUT US私たちについて

身体の中で旅をする。
植物性プロテインとスープ。

食の未来はいにしえの叡智にあり。
力強く息づく植物、人々と触れる中でこの教えに辿り着きました。

飛行機から降り立った瞬間、知らない土地の香りに出会うように、
立ち並ぶ大きなビル街に反射する光に負けないように、
GRØNはあなたの身体の中で旅をします。

目まぐるしく過ぎる日々を支えるこの一杯で、
自分本来のエネルギーを取り戻してください。