スパイスと体のこと 〜栄養士のColumn Vol.50
スパイスとは、特有の香りや味、色を利用して、臭みを消したり、辛味や香り付けをして風味を増したりなど料理の場面で使われているものを指します。
植物の葉、茎、果実、花、蕾(つぼみ)、樹皮、種子、根、地下茎などからとれたものを指し、加工法は生鮮品から、乾燥品、粉末など様々です。
スパイスの歴史は古く、紀元前から世界各地で使用されていました。
特にヨーロッパでは料理の中心であった肉類の保存に役立つ防腐、抗菌などの作用のある香辛料は欠かせないものとされています。
健康に対する効果も重宝された大きな理由で、「天然の薬」とも言われていました。
実際にスパイスの中には漢方などで薬として使用されるものもあり、美容や健康にも様々な効果が期待されています。
そんなスパイスについて今回はお話していきます。
まずスパイスの効能について3つ挙げてみます。
1つめ: 発汗作用で体温を調節
暑さの厳しい国では、唐辛子を始め、スパイスを多用した料理が多く食べられています。
スパイスの発汗作用は、内側の体温をうまく発散させてくれます。
一例として。
とうがらし
辛味成分カプサイシンを含みます。体脂肪の燃焼や血行の促進、冷え症の予防改善など様々な働きを持っています。体温を上昇させ発汗を促す働きがあるため、むくみ防止やデトックスに。
シナモン
古くから漢方薬としても用いられています。シナモンには発汗を促してむくみを予防する働きがあります。
しょうが
しょうがに含まれる香り成分ガラノラクトン、辛み成分ジンゲロールは血管に届き、冷えなどで細くなった血管を拡張させる働きがあります。
血液の流れが良くなり、血行不良による冷え性や体のこわばり、肩こりの改善に期待できます。
また、肉や魚の臭い消しにも利用されています。
山椒
縄文時代には利用されていた日本最古のスパイス。
山椒に含まれるサンショオールは内臓器官の働きを活発にし、消化不良を改善するなどの効能が知られています。
また、新陳代謝を活発にしたり、発汗作用の働きもあると言われています。
スターアニス
強い濃厚な香りが特徴的です。冷え性や血行促進などの効果が期待されています。
2つめ: 防腐・殺菌・酸化防止作用
スパイスは、微生物の繁殖を抑えたり、脂肪分などの酸化を防止して食品を保存する防腐・殺菌・酸化防止作用があります。
また、肉や魚などの特有の臭いを消す防臭作用もあります。
一例として。
コリアンダー
パクチーの種を乾かして粉末にしたもので、柑橘のような爽やかな香りが特徴です。抗菌効果があり、食品の保存にも最適と言われています。
ターメリック
鎮痛、抗酸化作用、殺菌効果があり、皮膚炎の殺菌作用もあるとされています。
クローブ
抗酸化作用があり、老化防止に効果が高いクローブ。
肉の臭い消しとして肉料理によく利用されます。
また、消化機能の促進、健胃、整腸などの効能があるとされています。
わさび
抗菌作用は比較的強く、細菌やカビなどの幅広い抗菌効果をもつ特徴があります。
3つめ: 食欲増進や胃等の機能を促進させる
スパイスは香りや辛味をつけることによって、唾液の分泌を促し、食欲を高める作用があります。
そのほか、整腸作用や消化吸収を助けるなどにも期待されています。
一例として。
カルダモン
「スパイスの女王」とも呼ばれているカルダモンは、だ液の分泌を促進し、消化を促進する効果があるといわれています。
また、胃液の分泌を促して消化を促進します。
ウコン
胃の働きを活発にすることで食欲を増進させる効果があるといわれています。
また、食物繊維が豊富に含まれているため、腸内環境改善効果も期待されています。
クミン
カレーパウダーの主原料で、消化促進や解毒作用があり、下痢や腹痛の治療薬、胃腸内にガスが溜まるのを予防します。
また、肝機能を高めるなどの効能があるとされています。
ナツメグ
ナツメグに含まれるピネンという成分が、胃の働きを正常にして消化を促進してくれます。
香り成分であるミリスチシンには、食欲を増進して消化吸収をよくする働きがあります。
ガーリック
ガーリックに含まれるアリシンによる香りは、唾液や胃液といった消化液の分泌を促し、胃腸の働きを活発にさせるため、食欲を増進し、消化吸収を高める効果があります。
以上、スパイスにはたくさんのバリエーションがあり、素材本来の味を引き立て、風味が増して味わいに奥行きが出ます。
料理を作るレパートリーの幅が広がり、食卓に彩を与えます。
効能をうまく取り入れて、身体の内側から健康や美容の食生活を送ってみてはいかがでしょうか?
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栄養士・食育指導士・食の6次産業化プロデューサーlevel4
石原綾子
ヘルスケア分野での栄養指導、アグリビジネスのプロフェッショナル。
ミスワールド日本候補生に向けた講演会など、美や健康に特化した分野をフィールドに様々な活動を行なっている。
「食を通して心と身体を豊かにし、人と地域がつながる生き生きとした社会を実現する」を理念に掲げ2013年に、株式会社アイ・フィールドを設立、代表を務める。
各地域で野外レストランを開催する「DINING OUT」の食材TEAMや、ファッションブランドのプロジェクトに中心メンバーとして参画。
また、地域食材のPR、「健康」や「美容」に特化した商品開発プロデュース、ブランディング、コンセプト設計、食品衛生、販売促進プロモーション、研修企画運営等に携わっている。GRØNの商品開発では栄養面での監修を担当。消費者の健康に、より効果的に取り入れる方法を提案している。
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