旬のものを食べることと、体のこと 〜栄養士のColumn Vol.49
暑い夏が過ぎ、徐々に秋の気配が感じられるようになりました。
秋は、サンマ、カツオ、栗やじゃがいも、里芋、さつまいも、レンコン、梨、ぶどう、柿、お米、木の実、きのこなど多くの食材が旬を迎えます。
日本には「春」「夏」「秋」「冬」の四季があり、季節に応じて旬の食べ物を味わうことができます。
旬の食材とは、各地域の自然環境で最適な時期に無理なく食べごろを迎えたものを指します。
収穫時期に基づく分類として、走り(初めて市場に出回る旬)、盛り(最も美味しい旬)、名残(旬が過ぎることを惜しむ時期)があります。
旬の食材のメリット
「盛り」の時期には、収穫量が安定し、食材が豊富に手に入ります。
この時期の野菜や果物は、最も良い生育条件で育てられ、味や栄養価が高まっています。
旬の食材は香りや旨味が豊富で、栄養価も優れています。
例えば、冬に収穫されるほうれん草は、夏のものに比べて約3倍のビタミンCを含むと言われています。
日本人は古くから、旬の食材を食べることで体に必要な栄養素を効率よく摂取でき、自然のリズムに合わせた生命力を取り込むことができると考えられてきました。
季節ごとの旬の食材
▼ 春
身体の変化を助ける苦味のある食材が旬を迎えます。この時期の旬の食材は、身体を目覚めさせ、ビタミン・ミネラルも豊富です。
例: 菜の花、フキノトウ、いちご、たけのこ
▼ 夏
水分やカリウムを豊富に含むあっさりした野菜や酸味のある果物が旬です。
この時季の野菜や果物には暑さを乗り切るために、体を冷やしたり、食欲増進したりする効果があります。
また紫外線が強い時季でもあるので、ビタミンCを豊富に含む食材も旬を迎えます。
例: きゅうり、トマト、スイカ、鯵
▼ 秋
疲労回復に役立つビタミンB群、冬の寒さに備えるための糖質を含む食材が豊富です。
例: さつまいも、柿、栗、秋刀魚
▼ 冬
身体を温める根菜類が旬を迎えます。
血行を促進してくれるビタミンE、抵抗力を高めてくれるビタミンCなど、体を温めて代謝を上げてくれる旬の食材が豊富です。
例: 白菜、大根、みかん、鰤
こうしてみると、旬の食材は、その時期に体が欲する食材であり、その季節に応じて、旬の食材が身体に必要なものとして与えてくれています。
旬の食材を楽しむ意義
施設栽培によって育てられた作物は、自然環境に左右されずに年間を通じて安定して出荷することが可能となり、現代の私たちは旬に関係なくいつでも食材を購入することができます。しかし本来、旬の野菜は露地栽培で育てられます。
露地栽培とは、自然の環境を活用し、野外の畑で栽培すること。
自然栽培に近ければ近いほど、収穫した野菜は形がいびつだったり、生産量が不安定になることもありますが、旬の野菜として市場に出回ります。
旬の食材は、その時期に体が必要とする栄養を提供してくれます。
太陽や大地、水などの自然の恵みをしっかり受けて育った旬の野菜は、野菜が本来持つ味・食感・香りを楽しめて、濃厚でおいしく、しかも栄養が豊富です。
旬の野菜を意識した食生活は、季節や日本の自然の恵みを感じさせ、心身に良い影響を与えるでしょう。
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栄養士・食育指導士・食の6次産業化プロデューサーlevel4
石原綾子
ヘルスケア分野での栄養指導、アグリビジネスのプロフェッショナル。
ミスワールド日本候補生に向けた講演会など、美や健康に特化した分野をフィールドに様々な活動を行なっている。
「食を通して心と身体を豊かにし、人と地域がつながる生き生きとした社会を実現する」を理念に掲げ2013年に、株式会社アイ・フィールドを設立、代表を務める。
各地域で野外レストランを開催する「DINING OUT」の食材TEAMや、ファッションブランドのプロジェクトに中心メンバーとして参画。
また、地域食材のPR、「健康」や「美容」に特化した商品開発プロデュース、ブランディング、コンセプト設計、食品衛生、販売促進プロモーション、研修企画運営等に携わっている。GRØNの商品開発では栄養面での監修を担当。消費者の健康に、より効果的に取り入れる方法を提案している。
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