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テストステロン・男性ホルモンの役割 〜栄養士のColumn Vol.168

テストステロン・男性ホルモンの役割 〜栄養士のColumn Vol.168

テストステロンと聞くと、筋肉質な男性や、競争心、力強さといったイメージを思い浮かべるかもしれません。
けれど、その働きはもう少し静かで、繊細です。

筋肉や骨を健やかに保つこと。
性機能や生殖機能を支えること。

そして、活力や気分など、日々のコンディションにも関わっています。
テストステロンは男性だけのものではなく、女性の体内にも存在しています。
性別を問わず、私たちの心身を支えるホルモンのひとつです。

テストステロンは、体をつくるシグナル

テストステロンは「アンドロゲン」と呼ばれる性ホルモンの一種です。
男性では主に精巣でつくられ、思春期には声が低くなる、体毛が増える、筋肉や骨格が発達するといった身体的な変化に関わります。
成人後も、筋肉量や骨の健康、赤血球の産生、性欲、精子の形成など、さまざまな働きに関係しています。

テストステロンが著しく低下すると、筋肉量や筋力の低下、疲れやすさ、性欲の低下、気分の落ち込み、集中力の低下などがみられることがあります。

ただし、こうした不調は、睡眠不足や過度なストレス、甲状腺の病気、貧血、うつ、睡眠時無呼吸症候群などでも起こります。
症状だけを見て「男性ホルモンが減った」と判断することはできません。

女性の体にも必要なホルモン

「男性ホルモン」という呼び方から、女性には必要のないものと思われがちですが、女性の体内でも、卵巣や副腎などでテストステロンがつくられています。その量は一般に男性より少ないものの、筋肉や骨の維持、性欲などに関わっています。また、体内ではテストステロンの一部がエストロゲンへと変換されます。

女性のホルモンバランスは、エストロゲンやプロゲステロンだけで成り立っているわけではありません。いくつものホルモンが互いに影響しながら、心身の状態を形づくっています。
だからこそ、テストステロンも「多ければ多いほどよい」というものではありません。女性では、テストステロンが過剰になることで、月経不順やニキビ、多毛などがみられることがあります。

ホルモンに大切なのは、単純に量を増やすことではなく、その人の体の状態に合ったバランスです。

ホルモンは、一日の中でも揺れている

テストステロンの分泌量は、一定ではありません。

男性では一般に朝に高く、夜にかけて低くなる日内変動があります。
また、加齢に伴って緩やかに低下する傾向がありますが、その変化には大きな個人差があります。
睡眠、ストレス、栄養状態、体重、運動習慣、持病なども、その値に影響します。

テストステロンは、年齢だけで決まる数字ではなく、そのときの体の状態を映すひとつの指標でもあるのです。
そのため、医療機関では低テストステロンが疑われる場合、症状と併せて評価し、通常は朝の時間帯に複数回測定するなどして判断します。

眠ることは、体のリズムを取り戻すこと

テストステロンの分泌は、睡眠とも関係しています。
慢性的な睡眠不足は、ホルモンだけでなく、食欲、血糖調節、気分、運動への意欲など、コンディション全体に影響することがあります。
いびきや日中の強い眠気がある場合は、睡眠時無呼吸症候群が隠れている可能性にも注意が必要です。

毎日の就寝時刻を大きくずらさないこと。朝の光を浴びること。眠る直前まで強い光や情報に触れ続けないこと。
特別なことを加えるより、まずは生活リズムを整えること。

夜をきちんと夜らしく過ごす時間が、体内時計を整え、健やかなホルモンのリズムを支える土台になります。

筋肉を使い、きちんと休む

スクワットや腕立て伏せ、ウエイトトレーニングなどのレジスタンス運動は、筋力や骨の健康を守るために有効です。
運動後にはテストステロンが一時的に変化することがありますが、筋トレをすれば基礎的なテストステロン値が必ず上がる、という単純なものではありません。
それでも、筋肉を保ち、体脂肪の過剰な増加を防ぎ、代謝や睡眠の状態を整えることは、健康的な体づくりにつながります。

一方で、十分なエネルギーを摂らずに激しいトレーニングを続けると、性ホルモンを含む身体の機能に影響することがあります。

鍛える日と休む日。
力を使う時間と、回復する時間。

どちらも、体をつくる大切なプロセスです。

「増やす食品」を探す前に

「これを食べればテストステロンが増える」という特別な食品はありません。

まず大切なのは、活動量に見合ったエネルギーを確保すること。そのうえで、筋肉や体の組織をつくるタンパク質、エネルギー代謝や身体機能を支える脂質、ビタミンやミネラルなどを、偏りなく摂ることです。

大豆製品などのタンパク質。
玄米やオーツ、いも類などの炭水化物。
ナッツや種子、オリーブオイルなどに含まれる脂質。さらに、野菜や果物を重ねていく。
亜鉛も正常な生理機能に欠かせないミネラルですが、不足を補うことと、多量に摂ればテストステロンが増えることは別の話です。

サプリメントによる過剰摂取は、銅の吸収を妨げることもあります。
何かひとつを極端に増やすのではなく、多様な食材から、体が必要とするものを少しずつ届けること。
それが、遠回りに見えても、健やかな体をつくるための基本です。

強さとは、自分のリズムを守ること

テストステロンについて考えることは、単に筋肉を増やしたり、若さを取り戻したりすることではありません。

よく眠り、必要なものを食べ、適度に体を動かす。
疲れたときには立ち止まり、回復する時間をつくる。

テストステロンを無理に高めようとするのではなく、ホルモンが健やかに働ける環境を、日々の生活の中で整えていく。
本当の強さは、いつも力に満ちていることではありません。

動くことと休むこと。
前へ進むことと、自分をいたわること。

そのどちらも選べるしなやかさが、心と体を健やかに保つ力になるのです。

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栄養士・食育指導士・食の6次産業化プロデューサーlevel4
石原綾子

ヘルスケア分野での栄養指導、アグリビジネスのプロフェッショナル。
ミスワールド日本候補生に向けた講演会など、美や健康に特化した分野をフィールドに様々な活動を行なっている。

「食を通して心と身体を豊かにし、人と地域がつながる生き生きとした社会を実現する」を理念に掲げ2013年に、株式会社アイ・フィールドを設立、代表を務める。
各地域で野外レストランを開催する「DINING OUT」の食材TEAMや、ファッションブランドのプロジェクトに中心メンバーとして参画。
また、地域食材のPR、「健康」や「美容」に特化した商品開発プロデュース、ブランディング、コンセプト設計、食品衛生、販売促進プロモーション、研修企画運営等に携わっている。GRØNの商品開発では栄養面での監修を担当。消費者の健康に、より効果的に取り入れる方法を提案している。
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ABOUT US私たちについて

身体の中で旅をする。
植物性プロテインとスーパーフードのGRØNです。

食の未来はいにしえの叡智にあり。
力強く息づく植物、人々と触れる中でこの教えに辿り着きました。

飛行機から降り立った瞬間、知らない土地の香りに出会うように、
立ち並ぶ大きなビル街に反射する光に負けないように、
GRØNはあなたの身体の中で旅をします。

目まぐるしく過ぎる日々を支えるこの一杯で、
自分本来のエネルギーを取り戻してください。