COLUMN / RECIPE

04 / 23 / 2019

月桃 〜沖縄で自生する美容のハーブ

サトウキビ畑が広がる沖縄の原風景。
本土とは異なる亜熱帯の植物が広がる景色の中に、強くたくましく空に向かって自生する、緑色の葉が目に留まります。

これは「月」に「桃」と書いて月桃(ゲットウ)と呼ばれる植物、沖縄を代表する野草ハーブの一つです。
月桃は、ショウガ科ハナミョウガ属(アルピニア属)の多年草。その名の通り生姜の親戚となる植物です。

月桃に含まれる栄養素として注目すべきなのは、ミネラルとポリフェノール。
カルシウム・マグネシウム・鉄分など体づくりに欠かせない栄養素・ミネラルに加えて、フィトケミカルに分類される栄養素の一種ポリフェノールが赤ワインの30倍以上含まれています。

血液をサラサラにして動脈硬化や脳梗塞を予防すると言われるケルシチニン、血中の脂肪の排出を促し、脂肪を分解して燃焼させるダイエット効果が期待できるタンニンやリノール酸、これらは全てポリフェノール。
これらを豊富に含む月桃は、近年美容成分も注目されていて、化粧品やアロマオイルでも多く使われています。

また月桃の特徴として挙げられるのが、爽やかでほのかに甘い独特の香り。
葉から採取した精油をアロマオイルとして活用することも多く、そのリラックス効果から、集中力や記憶力のアップ、睡眠治療やホルモンバランスを整える治療にも使われていると言われています。

一方でこの香りが虫は苦手。
防虫、防カビ、抗菌作用があり、現地では天然の消臭剤や防虫剤として使われてきたのだとか。
また煎じて飲めば、高い抗菌・抗炎症作用を発揮、ニキビやあせも、かぶれ予防、抗アレルギーへの効果も期待されているのだとか。

また冬至の時期には、健康長寿を願い食べられる「ムーチーカーサー(鬼餅)。」を包むために月桃の葉は使われるのだとか。
本州でいう熊笹のイメージに、沖縄の月桃は近いのかもしれませんね。

>>参考 冬眠前の熊の浄化剤。「熊笹」の力

そして、これがGRØNのプロテインブレンド Green Monsterで使っている、月桃林の様子。

沖縄県糸満市にて自生する月桃の葉を、生産者・新垣さんがベストのタイミングを見極めて収穫をしてくれています。

ある程度成長をして、葉を収穫してもまだ株が生きている状態を保つことが自分の仕事だとおっしゃっていました。

また続けて、
「台風が過ぎた後には、みんな横に寝てしまうけれど、またしばらくすると起き上がって天を向くんだ」、と新垣さんは優しい笑顔で月桃を眺めていました。

台風を乗り越えてもなお、凛とした出で立ちで上へ上へと育つ月桃の葉。
一度倒れた面影が、茎の部分に傷跡から覗く姿には強い生命力を感じました。

強く元気に生き抜いてきた月桃の葉、大切に使いたいと思います。
ありがとうございます。

<材料が使われているGRØNの製品>

プロテインブレンド グリーンモンスター 20g /320円(税別)

Photos by Moeko Sawada