COLUMN / RECIPE

01 / 07 / 2023

意識したい効果的な食べ合わせ「フードシナジー」とは〜栄養士のColumn Vol.80

一般的に「食べ合わせ」というのは、2つ以上の食材の組み合わせにおいて相性の良し悪しを指します。
食べ合わせ次第では、栄養をより摂取できたり、消化を助ける働きがあるのです。

例えば、焼き魚に大根おろしを添えて食べることはよくあると思いますが、実はこれも栄養面で理に適った食べ方なのです。
大根に含まれるジアスターゼという酵素には、魚のたんぱく質の消化を促し、さらに大根がEPA(IPA)やDHAの酸化を防いでくれます。

このように食材がもつ栄養素や成分は、色々な食べ合わせによって、別の栄養素の働きを助けたり、相互に作用しあって栄養分の吸収率を上げてくれます。

相乗効果で栄養価が高まる食べ合わせは、「フードシナジー」とも呼ばれています。
逆に、食材の組み合わせによっては、栄養素が半減してしまうこともあるので注意が必要です。

今回は目的別に代表的な栄養素の組み合わせ、またマイナスに働く組み合わせをご紹介します。

食材同士の相互作用の食べ合わせは、大きく分けて「相乗効果」「相加効果」「相殺効果」の3つに分けられています。

■ 相乗効果

それぞれの栄養成分が有効に働いて、効果が何倍にも生かされる食べ合わせ

*目的 –> 鉄分の吸収率を上げる

鉄分 + ビタミンC

例)小松菜 + レモン

ビタミンCは、非ヘム鉄(小松菜やほうれん草などの野菜や納豆、豆腐などの大豆製品の植物性食品)の吸収率を高めます。
ビタミンCは加熱すると失われやすいので、生で食べられる果物を添えたり、食後のデザートなどでプラスします。

 

*目的 –> ビタミンAの吸収率を上げる

ビタミンA + 植物性油脂

例)にんじん + オリーブオイル

ビタミンAは脂溶性のビタミンなので、油と一緒に調理することで効率よく体に取り入れることができます。
油脂は脂溶性ビタミンの輸送体となり、吸収率を増加させます。

 

*目的 –> カルシウムの吸収を高める

カルシウム + ビタミンD + 油

例)牛乳、チーズ + きのこ + 油

カルシウムの吸収率を上げるビタミンDは脂溶性の栄養素なので、油と一緒に摂摂取することで効果的に身体に取り入れることができます。油で炒めてもいいですし、ドレッシングの油でもOK。

 

*目的 –> アスパラギン酸の吸収を高める

アスパラギン酸 + アルギニン酸

例)アスパラガス + わかめ

アスパラガスに含まれるアスパラギン酸には、体内にたまった有害物質を排出し神経を守る効果があり、わかめのヌルヌル成分であるアルギニン酸がアスパラギン酸の吸収を高めます。

■相加効果

同じような効果がプラスし合うことでより効果がプラスし合うことでより効果が高まる食べ合わせ。

*目的 –> 美容やエイジングケア

ビタミンE + ビタミンC

例)アボカド + 赤ピーマン  ナッツ + キウイ

一緒に摂取することで、抗酸化作用の高い効果的な食べ方に。さらにビタミンCは、コラーゲン合成にも関与し、疲労回復にも期待できます。そこに加えて、ビタミンEが細胞を酸化から守ります。

 

*目的 –> 腸内環境を整える

乳酸菌 + 水溶性食物繊維

例)ヨーグルト + りんご

乳酸菌と水溶性食物繊維は、どちらも腸内を整えてくれる効果を持ちます。
この2つが組み合わさることで、更なる効果に期待ができます。

 

*目的 –> 血流改善/冷え性予防

ケルセチン + ナットウキナーゼ

例)玉ねぎ + 納豆

血液の循環が悪いことから起こる冷え性は血行を促進するのが良いとされています。
玉ねぎに含まれているケルセチンはポリフェノールの一種で血行をよくする働きがあり、納豆にはナットウキナーゼという酵素が血栓を溶かす作用があるので血行促進に期待できます。

 

*目的 –> 美肌UP

ビタミンB2 + ビタミン6 + ビタミンC

例)抹茶 + 落花生 + いちご

皮膚の新陳代謝が悪くなると起きてくる肌荒れ。特にビタミンB2が不足するとニキビや吹き出物の原因に。
ビタミンB6は、皮膚のトラブル解消に効果に期待できます。
ビタミンB2はビタミンB6の働きを助ける作用があるので一緒に食べることでさらに効果がアップ。
そこにメラニン色素を抑える効果のビタミンCをプラスする。

 

*目的 –> 疲労回復

ビタミンB1 + アリシン

例)豚肉 + にんにく

疲労回復に優れたビタミンB1の吸収を手助けするアリシン。
ビタミンB₁と結びつくことで体内に長く留まらせ、疲労回復の効果・効能を持続させることができる。

■ 相殺効果

それぞれの栄養成分のもつ効果が減ってしまう食べ合わせ。
一方のもっている成分がもう一方の栄養素を破壊したり、吸収を妨げたりする。

–> カルシウムの吸収を、フィチン酸が妨げる。

例)牛乳+枝豆

 

–> 鉄分の吸収をタンニンが妨げる。

例)レンコン+あさり  小松菜+コーヒー

 

–> 摂取した亜鉛が、食物繊維やフィチン酸で排出されやすくなる。

例)牡蠣+ヒジキ+小麦製品、インスタント食品、豆類

 

–> 身体を冷やす食べ物と脂質の多い食べ物は胃腸に負担がかかる

例)スイカ+天ぷら

食べ物の組み合わせの一部をご紹介しましたが、意識せずとも普段から取り入れている方も多いのではないでしょうか。
私たちの食事の場面には、昔から栄養素を身体に摂り入れるための組み合わせをしているものも結構多いのです。

せっかく食事をするなら、より良く栄養を摂取したいですよね。
是非、改めて組み合わせを意識して食事をしてみてはいかがでしょうか?

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栄養士・食育指導士・食の6次産業化プロデューサーlevel4
石原綾子

ヘルスケア分野での栄養指導、アグリビジネスのプロフェッショナル。
ミスワールド日本候補生に向けた講演会など、美や健康に特化した分野をフィールドに様々な活動を行なっている。

「食を通して心と身体を豊かにし、人と地域がつながる生き生きとした社会を実現する」を理念に掲げ2013年に、株式会社アイ・フィールドを設立、代表を務める。
各地域で野外レストランを開催する「DINING OUT」の食材TEAMや、ファッションブランドのプロジェクトに中心メンバーとして参画。
また、地域食材のPR、「健康」や「美容」に特化した商品開発プロデュース、ブランディング、コンセプト設計、食品衛生、販売促進プロモーション、研修企画運営等に携わっている。GRØNの商品開発では栄養面での監修を担当。消費者の健康に、より効果的に取り入れる方法を提案している。

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