COLUMN / RECIPE

11 / 05 / 2022

油はダイエットの敵?体に良い油とは 〜栄養士のColumn Vol.75

揚げ物や炒め物、ドレッシングに使ったりと油には、様々な活用シーンがあります。
しかし、油というとダイエットの敵!といったようなネガティブなイメージを持つ方も多いかもしれません。
一口に油といっても様々な種類があり、健康維持やダイエットにプラスとなる油があるのをご存じですか?

今回は、その油についてお話をしたいと思います。

油=脂質は人のエネルギー源

生きていくために必要な三大栄養素である、タンパク質・糖質・脂質の中の「脂質」に油は分類されます。
脂質は、私たちが活動するためのエネルギー源であり、細胞膜やホルモンの材料となる重要な栄養素です。

さらに、油は肌に潤いを与え、油に溶けやすい脂溶性ビタミン(ビタミンA、D、E、K)の吸収を高める働きもあるなど、健康や美容に欠かせない存在と言えます。

 

油の主成分は「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」

油の主成分である脂肪酸は、炭素(C)・水素(H)・酸素(O)の三種類。
この炭素の長さやつながりによって脂肪酸は分類され、炭素の二重結合が無い脂肪酸を「飽和脂肪酸」、二重結合を含む脂肪酸は「不飽和脂肪酸」と大分されます。

 飽和脂肪酸=脂

・肉やバター、ラードなど

カラダの重要なエネルギー源になりますが、過剰に摂取するとLDL(悪玉)コレステロールが増加し、動脈硬化や心疾患、糖尿病、肥満などのリスクが高まると言われています。

令和元年(2019年)国民健康・栄養調査の結果によると、近年日本人の飽和脂肪酸の摂取量が増加傾向にあるため、控えることがよいと注意喚起されています。
-> 令和元年国民健康・栄養調査報告

飽和脂肪酸は、繋がる炭素の長さにより短鎖脂肪酸、中鎖脂肪酸、長鎖脂肪酸の3つに分類されます。

 

脂肪として蓄積されにくい「中鎖脂肪酸」

飽和脂肪酸の中でも、脂肪として蓄積されにくいものがあります。
それが「中鎖脂肪酸」です。

一般的な油と比べて体内で分解されやすく、短時間でエネルギーになり、脂肪として蓄積されにくく、酸化や熱による劣化にも強い特徴があります。

ココナッツオイルに多く含まれており、特に中鎖脂肪酸100%の「MCT(Medium Chain Triglyceride)オイル」は、ダイエット中の方やアスリートに注目されています。
MCTは、急速にケトン体を作り出し、ケトーシス状態を引き起こすことができるので、ケトン体ダイエットに効率が良いオイルなのです。

-> KETO (ケトン体) ダイエットについて 〜栄養士のColumn Vol.31

一般的な食用油とは使い方が異なり、サラダやヨーグルト等にお料理にプラスして取り入れるのが理想的で、一日に数回小さじ1~大さじ1程度取り入れると良いとされています。

不飽和脂肪酸=油

・植物油や魚に含まれている油など

不飽和脂肪酸は炭素同士の二重結合の数によって、一価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸に分類されます。
さらに一価不飽和脂肪酸はオメガ9系、多価不飽和脂肪酸はオメガ6系オメガ3系と分けることができ、それぞれ異なる働きがあります。

この中でも食べ物からの摂取が必要な「必須脂肪酸」は、オメガ6系・オメガ3系です。

不飽和脂肪酸はコレステロール値を下げ、生活習慣病に対する効果が期待されていますが、多く摂れば摂るほど体に良いというわけではありません。摂りすぎると脂肪となって体に蓄えられ、肥満のもとになるので注意が必要です。

 

オメガ9系の油とは…

オメガ9系の油は、体内でもつくれる脂肪酸。
代表的な脂肪酸はオレイン酸です。
体内の血中コレステロールを適正に保つ作用があり、酸化されにくいため、血管を健康に保つ働きがあります。また、腸を活性化し便秘予防にも期待されています。

*含まれる食品:オリーブオイル、こめ油、ひまわり油、アボカドオイル、マカダミアナッツオイル など

オメガ6系の油とは…

人の体内でつくることができない必須脂肪酸のひとつ。
代表的な脂肪酸としては、リノール酸があり、血中のコレステロール濃度を下げると言われています。
ただし、過剰に摂取してしまうと善玉コレステロールも下がってしまい、血液が固まりやすくなったり、動脈硬化の促進やアレルギー疾患の原因にもなるので注意が必要です。

*含まれる食品:コーン油、大豆油、ごま油、べに花油、ゴマ油、グレープシードオイル など

【オメガ6系の主な脂肪酸】

*リノール酸
人の成長や生殖機能、皮膚の健康にかかわります。
加工食品に使われていることが多く、加工品を食べる機会がある方は、意識せずに過剰に摂っている可能性も。過剰摂取により免疫細胞が働きにくくなるとも言われているので注意が必要です。

*アラキドン酸
免疫機能を調整したり、コレステロール値を下げたり、学習力や記憶力を向上する効果が期待されています。

*γ-リノレン酸(ガンマ-リノレン酸)
血圧やLDLコレステロール値、血糖値を低下させる効果に加えて、正常で健康な皮膚の構造と機能に役立つとされています。

 

オメガ3系の油とは…

体内で合成できず、食品から摂取する必要がある必須脂肪酸。
血流の改善、生活習慣病の予防、コレステロール値の低下、アレルギー抑制など幅広い効果が期待されています。
非常に酸化スピードが速く、早めに使い切ることが大切です。
また、熱にも弱い性質があるため、炒め物などよりも、ドレッシングやマリネに使用する方が良いとされています。

含まれる食品:イワシやサバなどの青魚、亜麻仁油、えごま油 など

特にオメガ3系は、血液中の中性脂肪を減らして血液をサラサラにして血中血栓を防ぎ、不整脈の発生や動脈硬化を防止する作用があると言われています。健康のために積極的に摂りたい油です。

【オメガ3系の主な脂肪酸】

*ドコサヘキサエン酸(DHA)
青魚の油に多く含まれている脂肪酸。脳や神経組織の機能を高める働きがあります。
DHAは脳内に入ることができ、神経細胞を活性化させ記憶力や学習能力を向上させます。

*エイコサペンタエン酸(EPA)
青魚の油に多く含まれている脂肪酸。医薬品としても利用されており、血栓をつくらせない成分が多く含まれているのが特徴です。
DHAとともに血液をサラサラにしてくれる働きがあり、DHAとの相乗効果で脳内の血管を健康に保つ効果があります。

*α-リノレン酸
亜麻仁油、エゴマ油など植物油に含まれており、脳神経機能を高く保ちます。体内でDHA、EPAへと代謝されます。
熱に弱く、酸化しやすい性質を持っているので、加熱調理には適していません。

 

体に良いオイルを知って、続けて摂ることが大切

このように油には様々な種類があり、それぞれ体への働きが異なります。
普段から油を意識している、控えていると思っても、肉や加工品などに含まれる「かくれた油」を多く口にしている場合があります。
どのような成分が含まれているか、どんな油を使って製造されているかを確認して食品を選ぶことも大事なポイントです。
特にコンビニ食品やファーストフードを良く食べる方は、ラベル表記をきちんとチェックするなど油と向き合った食生活を考えてみてください。

体に良いオイルの特徴を知って、少量ずつ継続して摂取することが大切です。
普段口にする飲み物やプロテインに混ぜたり、料理にかけたりなど、無理することなく続けられる方法を探すのも楽しいですね。

日々の健康管理のために、食生活に良質な「油」とバランスを意識して取り入れてはいかがでしょうか?

 

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栄養士・食育指導士・食の6次産業化プロデューサーlevel4
石原綾子

ヘルスケア分野での栄養指導、アグリビジネスのプロフェッショナル。
ミスワールド日本候補生に向けた講演会など、美や健康に特化した分野をフィールドに様々な活動を行なっている。

「食を通して心と身体を豊かにし、人と地域がつながる生き生きとした社会を実現する」を理念に掲げ2013年に、株式会社アイ・フィールドを設立、代表を務める。
各地域で野外レストランを開催する「DINING OUT」の食材TEAMや、ファッションブランドのプロジェクトに中心メンバーとして参画。
また、地域食材のPR、「健康」や「美容」に特化した商品開発プロデュース、ブランディング、コンセプト設計、食品衛生、販売促進プロモーション、研修企画運営等に携わっている。GRØNの商品開発では栄養面での監修を担当。消費者の健康に、より効果的に取り入れる方法を提案している。

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