COLUMN / RECIPE

11 / 17 / 2020

ファスティングについて 〜栄養士のColumn Vol.28

「プチ断食」や「断食」を指すファスティング。
そんなファスティングについて今回はお話します。

まずは体の中をきれいにしたい!というきっかけから、食事で身体を変えるという方が最近増えています。
その選択肢の一つとして挙げられるのがファスティングやクレンズです。

断食と聞くと、修行イメージされる方も多くいらっしゃるかもしれませんが、何日も全く食事をしないわけではありません。
必要な栄養素を摂取しながら体の不調を取り除くための方法、体本来の機能を活用した合理的な健康法の一つです。
このファスティングが健康へ効果に対しても研究されていて、注目されています。

不調のほとんどは、「過食」と「偏食」によって起こるとも言われています。
ファストフードやレトルト食品などは、すぐに食べられますが、必要な栄養素が少なく、逆にカロリーなどの必要以上の栄養をとることになったり、早食いもそこにプラスされると、食べた満足を得られず、必要以上に食べてしまうということもあります。

健康や美容には良く無い食事となってしまいます。飽食の時代である現代は、食べたいものを食べたいときに好きなだけ食べることが当たり前になっているので、不調を招く結果にもつながってしまいます。

断食をすると、食べる量、つまり摂取カロリーが減りますから、痩せる現象が起きます。
ただし、いきなり食べないことをしたり、食べない期間を長くしたりするなど、誤ったやり方をしてしまうと、逆に不健康や病気を招くこともあるので、注意をしながらチャレンジすることが必要です。

ファスティングは、例えば週に1日だけ断食をする、1日の食事のうちどれかを抜くなど、いろいろなやり方があります。
食事を抜くことで、疲れてしまった内臓を休ませることができ、体重減少につながるとされています。
ファスティングの最大の目的は、内臓を休ませることです。実際に体験された方がよく言われているのが、体が軽くなり、肌の調子も良く、食の嗜好も変わって甘い物や脂っこい物は欲しくなくなるといいます。

一切、固形物を口にしないということは難しい場合、まずは動物性食品を絶ってみるという始め方もあります。
また、食事をするときの咀嚼回数に意識して多く噛んでから飲み込むこと。
これだけでも食事量を減らすポイントになり、プチファスティグに取り組むことができます。

具体的にファスティングをすると、体はどんな風に変わるでしょうか?
▪️ 新陳代謝の活性化
ファスティングをすると、食べ過ぎや不規則な食生活によって負担がかかった胃腸を休めることができ、胃腸の機能が回復して、新陳代謝が活発化するといわれています。

▪️便通改善
働きすぎている腸をいったん休ませることにより、腸が本来の働きが回復し、デトックス力が高まります。

▪️免疫力アップ
人間の免疫細胞が集中する腸を休めることで免疫力がアップすると言われています。

▪️メンタルケア
ココロの安定には、幸せホルモンと呼ばれているセロトニンという神経伝達物質が必要ですが、このセロトニンは、小腸の粘膜に蓄えられていると言われています。腸を休ませることで、吸収しやすい状態となり、セロトニンのもとになるアミノ酸のトリプトファン等の吸収がUPし幸せホルモンの分泌を促します。

▪️美肌効果
毒素が腸内で消化しきれず溜まってしまうと、吹き出物やニキビができやすくなってしまいます。ファスティングによって体内の毒素を排出し、腸内環境が整えられ、肌の調子が回復します。

以上に挙げられる通り、ファスティングによって様々な効果が期待できます。

続いてファスティングの方法についてお話します。

以下の一例に挙げられる通り、カジュアルに始められるファスティングも多くあります。

・半日ファスティング
朝食に固形物を食べず、午前中をファスティング期間に。

・1日ファスティング
1日固形物を食べない、1日ファスティング期間に。

・週末ファスティング
金曜の夜から、土曜や日曜の午前中までファスティング期間にし、日曜の午後から徐々に消化の良いものを食べ始める。

ファスティング期間中は、コールドプレスジュース、酵素ドリンク、甘酒、スムージーなどのファスティングドリンクで過ごされている方が多いですね。

クレンズを目的にやられている方も多くいらっしゃいます。クレンズは「洗浄」という意味で、余計な老廃物などを排出し、体重減を期待するもの。
クレンズの方法として、ファスティング期間中に、コールドプレスジュースを取り入れることです。

クレンズ期間中は、一日食事の代わりにコールドプレスジュースを飲み、コールドプレスジュースと同じくらいの量の水を飲むことです。
コーヒーやアルコールは避け、コールドプレスジュースの作り置きや買い置きはせず、当日分を用意して飲むことがポイントになります。
コールドプレスジュースの材料となる野菜や果物にはカリウムが多く含まれていて、カリウムには、体内の余分な水分を排出するはたらきがあるため、むくみの軽減にも役立ちます。
ただし、コールドプレスジュースは野菜や果物の栄養素を含んでいますが、カラダに必要な栄養素がすべてとれるわけではありません。
長期間続けると体調を崩す原因になります。
ジュースクレンズは最高3日間までにとどめ、長期間行うのは避けましょう。

ファスティングの具体的なやり方について、事例として参考にしてみてください。

<ファスティング前日>
断食前日から、段々と食事の量を減らしていきます。消化の悪いものは避けましょう。
消化の良くない食べ物⇒玄米、ラーメン、きのこ、柿、アボカド、ドライフルーツ、たこ、いか、鮪、サバ、塩辛、干物、バラ肉、ベーコン、鳥皮、固い茹で卵、生卵、油揚げ、厚揚げ、がんもどき、生クリーム、ごぼう、たけのこ、セロリ、海藻、ラード、フライ、天ぷら、加工食品等

<ファスティング当日>
意識して水分を摂るようにします(1日2L以上)。水以外は何も口にしないというファスティングもあれば、野菜ジュースやヨーグルトなどは口にするというファスティングもあります。

<ファスティング翌日>
まずは水分多めのおかゆから始め、昼食や夕食も普段の5、6割程度に留め、消化のいいものを選びましょう。
いきなり普通の食事に戻ってしまうと胃腸に負担がかかってしまいます。おかゆのような消化のよいものから食べるようにし、徐々にもとの食事に戻すようにしてください。

消化の良い食べ物⇒粥、うどん、バナナ、りんご、白身魚、はんぺん、鶏肉、脂身の少ない赤身肉、半熟卵、茶わん蒸し、豆腐、高野豆腐、豆乳、牛乳、ヨーグルト、ホウレンソウ、じゃがいも、人参、サラダ油 等

上記に主なポイントをまとめましたが、大切なことは自分のライフスタイルに合わせてチャレンジすること。
無理はしないように注意して行なってください。

またファスティング中の注意点を以下に並べてみました。

・起床後、200cc~400ccの常温の水または、白湯を飲むことを心がける。
・ファスティング期間中はカフェインを多く含む緑茶や紅茶、コーヒー、市販のジュースは控える。
・しっかりと水分を摂り、ファスティング期間中は激しい運動や長時間の入浴を避ける。
・ファスティング終了後の復食期間中は胃腸に負担の少ない消化の良いものを食べる。
・ファスティングで仕事や体調に支障が出たり、イライラや頭痛などの不調が発生した場合は、即終了すること。

またファスティングは健康状態でチャレンジしてください。
以下に挙げられるような方や、病気で治療中の人や体調不良の方は行わないようにしてください。
・術後1年以内の方
・病気で体重が落ちている方
・消化器系の大きな病気がある方
・糖尿病の方
・妊娠中、授乳中、薬を服用中の方
・貧血を起こしやすい方
・極度に体力がない方
・不安のある方は、必ずかかりつけの医師へ相談をしてから実施してください。

ファスティングを実施すると、カラダを整えるだけでなく、食べ物に対する考え方が変化するとも言われています。
味覚も鋭くなり、野菜の甘味や以前に比べて料理の塩分なども感じられるようになることも。
ファスティング前よりも食べ物の美味しさを感じることで満足感を得られます。
暴飲暴食や疲労を感じているときに、自分のライフスタイルに合わせ、無理の無い範囲でファスティングを実施してリセットしてみてはいかがでしょうか?

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栄養士・食育指導士・食の6次産業化プロデューサーlevel4
石原綾子

ヘルスケア分野での栄養指導、アグリビジネスのプロフェッショナル。
ミスワールド日本候補生に向けた講演会など、美や健康に特化した分野をフィールドに様々な活動を行なっている。

「食を通して心と身体を豊かにし、人と地域がつながる生き生きとした社会を実現する」を理念に掲げ2013年に、株式会社アイ・フィールドを設立、代表を務める。
各地域で野外レストランを開催する「DINING OUT」の食材TEAMや、ファッションブランドのプロジェクトに中心メンバーとして参画。
また、地域食材のPR、「健康」や「美容」に特化した商品開発プロデュース、ブランディング、コンセプト設計、食品衛生、販売促進プロモーション、研修企画運営等に携わっている。GRØNの商品開発では栄養面での監修を担当。消費者の健康に、より効果的に取り入れる方法を提案している。

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