COLUMN / RECIPE

08 / 08 / 2020

ビタミンとミネラルの役割 〜栄養士のColumn Vol.21 (後編・ミネラルについて)

さて前編でおした、体内の調子を整えるビタミンに続いて、今回はミネラルについてのお話をしていきます。
ビタミンとミネラルの役割 〜栄養士のColumn Vol.21 (前編・ビタミンについて)

■ミネラルとは?
体内の働きを調整するミネラルは微量ですが、身体機能の維持や調整に欠かせません。
カラダに必要なミネラルは16種類。
骨や歯を作る、体液の調整、神経や筋肉の機能維持、ホルモンの成分になるなど、幅広い働きをしています。

ナトリウム :細胞内外の浸透圧を一定に保つ。筋肉収縮や弛緩にも関与。
生命活動の維持に必須のミネラルで筋肉や神経を正常に保つ働きがあります。
摂り過ぎると高血圧を引き起こす原因になるので過剰摂取は注意が必要です。
通常ナトリウムが不足することはありませんが、高温・多湿の環境での作業、スポーツなどで多量の汗をかいたときは多くのナトリウムが失われますので、倦怠感や疲労感を起こします。

カリウム  :ナトリウムと一緒にカラダの水分バランスを調整。
ナトリウムとカリウムは細胞内液と浸透圧を均等に保つ水分バランスを調整する役割があります。
このバランスが崩れるとむくみの原因になります。
水分バランスを保ち、むくみ解消や改善をするためにはカリウム摂取がポイントに。
また、摂りすぎてしまったナトリウムの排出を促してくれます。

カルシウム :健康な歯や骨の形成に欠かせないミネラル。
体内に最も多く存在するミネラルで99%は骨や歯の中に貯蔵されています。
体内で作ることが出来ないため、不足すると貯蔵されている骨や歯から補われます。
そのため、カルシウムが不足すると骨がもろくなり骨粗しょう症の原因になってしまうことも。
また、神経伝達を正常に保つ役割や筋肉が正常に収縮するのを保つ働きがあります。

マグネシウム:三大栄養素の代謝をサポート。骨や歯の形成に不可欠。
骨格形成や身体の生理機能に欠かせないミネラル。
酵素を活性化する働きがあり、エネルギー産出やタンパク質の合成などにも関わります。
また、快適な睡眠を促すメラトニンの合成にも関わり、脳が正常に働くために役立ちます。

リン :カルシウムと結合して骨や歯を形成。
体を構成するミネラルのひとつであり、筋肉、神経、脳、肝臓などすべての組織に含まれています。
カルシウムと結合してリン酸カルシウムとなり、骨や歯をつくる主材料となります。
また、体内でビタミンB1やビタミンB2と結合して補酵素となり、糖質の代謝を促進します。

塩素 :殺菌効果や消化促進のサポート役。
生体内では胃液に多く含まれ、主に塩化物イオンの形で存在しています。
塩素は単体で殺菌力を持ち、水に溶解した際に生じる次亜塩素酸は強い殺菌力を持っています。
また、胃酸のペプシン以外の消化酵素や膵液のはたらきに関わっており、消化に重要な役割を果たします。

硫黄 :ビタミンB1やパントテン酸の構成成分。皮膚や髪の健康維持に働く。
シスチンというアミノ酸に含まれ 体内でも蛋白質やアミノ酸と結合して存在します。
ビタミンB1やパントテン酸と結合して補酵素となり、糖質や脂質の代謝に働いています。
また健やかな毛髪や皮膚・爪を作るために重要な成分です。

鉄 :貧血対策 酸素を運ぶ赤血球のヘモグロビンの原料になるミネラル。
赤血球を構成する成分であり、全身の細胞や組織に酸素を運ぶ役割をしています。
野菜に含まれる植物性の非ヘム鉄と肉類に含まれる動物性のヘム鉄があります。
体内での吸収率は平均して約8%と非常に低く、欠乏しやすいミネラルで、特に植物性は鉄の吸収率が動物性より低いため、ビタミンCとたんぱく質のセットで摂ることが吸収率UPにつながります。
体内の細胞に酸素を運ぶ役割を果たしていて、不足すると貧血や疲労感を感じます。

亜鉛 :新陳代謝の活性化・味覚の維持・免疫力向上などに働く。
人間が活動するために必要な代謝の過程で働く酵素の構成成分として必要不可欠なミネラル。
新陳代謝に必要な反応に関係する多種類の酵素をつくる成分であり、免疫力維持に重要な働きをしています。
また、味覚を正常に保つことに必要なミネラルでもあります。
ビタミンCと一緒に摂ると吸収率がUPします。

銅 :体内での鉄の利用率を上げて、赤血球の形成をサポート。
赤血球の形成を助け、多くの体内酵素の正常な働きと骨の形成を助けるミネラルです。
銅は、鉄を体内で利用できるように変える代謝に関わり、貧血を予防する効果があります。
体内の各種臓器に分布して存在し、酵素の成分にもなっています。

マンガン :骨形成や代謝に関わる。抗酸化物質SODの構成成分。
骨や肝臓の酵素作用を活性化するのに必要なミネラル。
抗酸化作用を持つ酵素を構成する成分としても欠かせません。
体内の不要な窒素を尿素にかえて排泄する作用にも関わっています。
不足すると、骨の発育不良や生殖能力の低下に。

ヨウ素 :代謝をサポート。健康的な皮膚の形成にも。
必要不可欠なミネラルのひとつで、ヨードとも呼ばれます。
人間の体内には甲状腺に多く存在しています。
代謝の維持に必要な様々なホルモンを分泌する器官である甲状腺から分泌されるホルモンの主要な構成成分となり働いています。
交感神経に働きかけて基礎代謝を調節したり、三大栄養素の代謝を促進し、成長や神経活動を活発にする効果があります。

セレン :高い抗酸化力を持つミネラル。活性酸素の発生を抑え、細胞の老化を防ぐ。
体内のサビつきの原因となる活性酸素から体を守り、体の内側から若々しさを保ちます。
抗酸化作用の高いビタミンEと一緒に摂ることで、さらに効果が高まります。

クロム :糖代謝・脂質代謝・インスリンの働きをサポート。
コレステロールの代謝、結合組織の代謝、たんぱく質代謝など、体内で起こるあらゆる代謝に大きく関わっています。
また、インスリンの働きを助け、血糖値を安定させダイエットや糖尿病を改善する効果に期待ができます。

コバルト :ビタミンB12の構成成分。悪性貧血の予防や神経の働きを安定させる。
ビタミンB12は、その構造の中心にコバルトを含んでいます。
ビタミンB12を構成する成分として、悪性貧血の予防や神経の働きの正常化に働いています。

モリブデン :糖代謝・脂質代謝をサポート。尿酸の生成を促す。
代謝に関わるミネラルのひとつで、肝臓、腎臓に存在しています。
代謝の過程で発生する様々な物質が、体外に排泄されるために分解されてできる最終老廃物である尿酸の生成を促しています。

以上、16種のミネラルそれぞれが役割を持ち、臓器、肌、骨、歯、毛髪や血液に至るまで、人間の体を健康に維持していることが再認識できます。

「ビタミンとミネラル」は、普段食事からとっているつもりでも、実は不足していたりすることもあるかもしれません。
忙しくて食事と向き合えない時は特に意識しなければならないですね。
そんな時は食事以外のサプリメントで補っていくことも必要ですね。
サポートをしてくれるビタミンとミネラルを、もっと意識していくことで、カラダやココロのケアをし、毎日の生活をより充実した素敵なものへと変えていきたいですね。

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栄養士・食育指導士・食の6次産業化プロデューサーlevel4
石原綾子

ヘルスケア分野での栄養指導、アグリビジネスのプロフェッショナル。
ミスワールド日本候補生に向けた講演会など、美や健康に特化した分野をフィールドに様々な活動を行なっている。

「食を通して心と身体を豊かにし、人と地域がつながる生き生きとした社会を実現する」を理念に掲げ2013年に、株式会社アイ・フィールドを設立、代表を務める。
各地域で野外レストランを開催する「DINING OUT」の食材TEAMや、ファッションブランドのプロジェクトに中心メンバーとして参画。
また、地域食材のPR、「健康」や「美容」に特化した商品開発プロデュース、ブランディング、コンセプト設計、食品衛生、販売促進プロモーション、研修企画運営等に携わっている。GRØNの商品開発では栄養面での監修を担当。消費者の健康に、より効果的に取り入れる方法を提案している。

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