COLUMN / RECIPE

08 / 05 / 2020

ビタミンとミネラルの役割 〜栄養士のColumn Vol.21 (前編・ビタミンについて)

私たちが食生活の中で、必ず必要な栄養素が、糖質・脂質・タンパク質・ビタミン・ミネラルの5大栄養素。

今回は、ビタミンとミネラルについてお話します。
『体の調子を整える』と言われるビタミンとミネラル。直接エネルギーにはならないですが、生物の生存・生育に必要な栄養素。
実際どのような働きをしているのか、あらためて見ていきたいと思います。

■ビタミンとは?
ビタミンは、脂溶性ビタミン4種類と水溶性ビタミン9種類の13種類に分類されます。
主に代謝やホルモンバランスに関わり、カラダの調子を整えます。
必要量はごくわずかですが、体内でほとんど合成されないか、合成されても必要量に満たないために必ず食品から摂取しなくてはなりません。

【脂溶性ビタミン】
脂溶性ビタミンは比較的、熱による損失の少ないビタミンで、油を使って調理すると吸収力が高まるという特徴があります。
そのため、油分を含む食品とともに摂取すると吸収されやすく、単独で摂取すると吸収率は低くなってしまいます。
種類により、農林水産省が摂取上限量を定めております。
不足すると「ビタミン欠乏症」と呼ばれ、健康的な生活が送ることができかねてしまいます。
一方で脂溶性ビタミンは摂取後しばらく肝臓に蓄積されるため、過剰摂取すると過剰症等を引き起こし、身体に悪影響が出る場合があります。

以下が脂溶性ビタミン4種類。
一つ一つ説明をしていきます。

・ビタミンA :皮膚や肌の粘膜強化に関与し、免疫力アップや乾燥肌対策に。

目の健康維持や、皮膚を正常に保つ働きがあります。
血管の強化、気管支の粘膜を正常に保ち、免疫細胞の働きを活発にします。
多く摂りすぎると肝臓に蓄積し、不調を起こす原因に。
熱にはやや弱く、乾燥、高温で壊れやすい性質を持っています。
吸収されたビタミンAはタンパク質とくっついて、血液にのって肝臓などへ運ばれ、いざというときに備えて貯められます。
ビタミンAを体中に運び届けるためには、十分なタンパク質の摂取が必要となります。

ビタミンD :骨や歯を健康に保ち免疫力UPやメンタルケアにも。
カルシウムや骨の代謝に欠かせない栄養素です。
免疫力の向上や花粉症やアレルギー症状を改善する作用もあり、非常に注目されているビタミンです。
最近では、心や神経のバランスを整える脳内物質セロトニンを調節することがわかり、うつなどのメンタル症状に効果的ということも分かってきたようです。
食事以外にも日光を浴びることによって、体内で合成することができるビタミンでもあります。

ビタミンE :強力な抗酸化作用に活性酸素を除去し、アンチエイジングに効果を発揮。
シミやシワ等の原因となる活性酸素を除去する強い抗酸化作用を持っています。
血行を促進し、血管や肌・細胞などの老化を防止もしてくれるので、若返りのビタミンとも呼ばれています。
ビタミンCを一緒に摂ることで、さらに抗酸化作用の相乗効果が得られます。
ビタミンEはタンパク質不足だと吸収がおろそかになってしまうので、油とタンパク質のセットでの摂取がおススメです。

ビタミンK :血液の凝固と骨の健康に欠かせないビタミン。
ケガなどで出血した際、時間が経つと自然に血は止まりますが、これは体内に血液を凝固させるのに必要な血液凝固因子があるため。これを作るのにビタミンKは必要な物質です。
腸から吸収されたカルシウムを骨に取り込むのを助ける働きをして、骨粗しょう症の治療薬としても活躍しています。

【水溶性ビタミン】
熱に弱く、水に溶け易い水溶性ビタミンは、大量に摂取してしまっても体に余分なものは尿と一緒に排泄されてしまうので、とり過ぎによる過剰症の心配はありません。
むしろ、水溶性ビタミンは保存の仕方や調理によって壊れ易いので、どうしても不足しがちになります。

ビタミンB1  :糖質のエネルギー代謝をサポート。神経や筋肉機能を正常に保つ。
糖質をエネルギーにかえるサポートをしてくれます。
日本人は主食で糖質を多くとることからビタミンB1の消費量が多くなります。
不足すると集中力の低下や、食欲不振、疲労感、だるさなどの症状が現れます。
また、脳は唯一ブドウ糖をエネルギー源としているため、ビタミンB1が不足するとエネルギーが不足し、脳や神経に障害を起こします。

ビタミンB2  :発育のビタミン 脂質のエネルギー代謝をサポート。
脂質をエネルギーに変える働きをしてくれるため、特にダイエットをされている方は意識したいビタミン。
成長を促進し、皮膚や髪、爪などの細胞の再生に関わります。
粘膜を保護する役割もあり、口内炎などの予防にも。
不足すると皮膚や粘膜に炎症を起こしやすくなり肌や髪のトラブルの原因に。

ナイアシン  :三大栄養素の代謝をサポート。アルコール分解酵素の補酵素になる。
ビタミンB群 の一種で、体内に最も多く存在するビタミンでかつてはビタミンB3とも呼ばれていました。
ナイアシンは、人間の全身の細胞で補酵素として必要とされています。
食品から摂取した脂質・糖質・たんぱく質を燃やしてエネルギーに変えるときに必要となる物質です。
欠乏すると、皮膚、粘膜や消化管、神経系に影響が出ます。

ビタミンB6  :タンパク質のエネルギー代謝をサポート。インスリン分泌にも関与。
肌のバリア機能を高める主にタンパク質の代謝を助け「肌のビタミン」とも呼ばれています。
また、脳内神経伝達物質の合成を助けます。
不足すると、肌荒れ・ニキビなどトラブルを招きます。
タンパク質食品の摂取量が増えるとビタミンB6の必要量も増えますが、大腸の腸内細菌(ビフィズス菌など)によっても作られるため、欠乏症はあまりみられません。

葉酸 :造血のビタミン 赤血球の形成やDNAの生成にも不可欠。
ビタミンB12とともに赤血球の形成を助けます。不足すると、赤血球をうまくつくることができず、貧血の原因となります。また、妊娠初期の方は特に摂取が必要なビタミンです。

ビタミンB12 :赤血球の生成を助け、貧血の予防や改善に。
葉酸とともに赤血球のヘモグロビンの合成をサポートしたり、タンパク質の合成を助け神経系の機能を維持します。
不足によって起こる代表的な症状は、悪性貧血です。
悪性貧血は、舌が赤く肥大し炎症を起こしたり、下痢、息切れ、めまい、動悸、だるさ、食欲不振などが見られます。

パントテン酸 :代謝に不可欠な補酵素コエンザイムA(CoA)の構成成分。
パントテン酸は水溶性ビタミンのひとつで、ビタミンB5と呼ばれていました。
動物性食品や植物性食品全般にまんべんなく含まれており、体内では腸内細菌によっても合成されます。
エネルギー代謝に不可欠な補酵素コエンザイムAの構成成分になります。
コエンザイムAは、三大栄養素をエネルギーに変えるときに必要なたくさんの酵素をサポートするため、それをつくるパントテン酸はエネルギー代謝に必要不可欠なビタミンでもあります。

ビオチン :三大栄養素の代謝に関わり、髪や皮膚を健康的に維持。
人間の腸内で善玉菌によって合成されるビタミンB群の一種。
以前はビタミンB7とも呼ばれていました。炭水化物 (糖質)、脂質、たんぱく質の代謝の過程で、酵素の働きを助ける補酵素としての役割を担っています。
また、皮膚や髪の毛を健康に保ったり、筋肉痛を和らげたりする効果もあります。

ビタミンC   :コラーゲンの生成・免疫力向上・抗酸化・ストレスケアなどに。
皮膚や血管の老化を防ぎ免疫力を高める働きを持つ抗酸化ビタミン。
コラーゲンの合成をサポートし、肌にハリを与える効果があります。
また、シミを予防、免疫力を高めて風邪をひきにくくすることにも期待できます。
ストレスに対する抵抗力を高めてくれるメンタルケアにも。
不足すると、疲れやすくなる、免疫力が低下、肌のハリが失われる、貧血になりやすくなる、といったことが起こりやすくなるので積極的に摂りたいビタミンです。

以上、今回は代謝やホルモンバランスに関わり、カラダの調子を整えるビタミンについてのお話をしました。
次回後編では身体機能の維持や調整に欠かせない、ミネラルについてのお話をしていきます。
ビタミンとミネラルの役割 〜栄養士のColumn Vol.21 (後編・ミネラルについて)

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栄養士・食育指導士・食の6次産業化プロデューサーlevel4
石原綾子

ヘルスケア分野での栄養指導、アグリビジネスのプロフェッショナル。
ミスワールド日本候補生に向けた講演会など、美や健康に特化した分野をフィールドに様々な活動を行なっている。

「食を通して心と身体を豊かにし、人と地域がつながる生き生きとした社会を実現する」を理念に掲げ2013年に、株式会社アイ・フィールドを設立、代表を務める。
各地域で野外レストランを開催する「DINING OUT」の食材TEAMや、ファッションブランドのプロジェクトに中心メンバーとして参画。
また、地域食材のPR、「健康」や「美容」に特化した商品開発プロデュース、ブランディング、コンセプト設計、食品衛生、販売促進プロモーション、研修企画運営等に携わっている。GRØNの商品開発では栄養面での監修を担当。消費者の健康に、より効果的に取り入れる方法を提案している。

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