COLUMNS & RECIPES

03 / 07 / 2020

栄養士のColumn Vol. 12 〜薬としてのカカオ Cacao as Medicine

老若男女から愛されるチョコレート。
主原料であるカカオを「薬」という目線で、その歴史と効能を照らし合わせながら今回はお話します。

 

カカオは、チョコレートだけでなく、スイーツにも利用されているカカオマスやカカオニブ、カカオバターもカカオ豆が原料です。

カカオ豆とは、カカオの樹になる果実の中にある種のこと。
大きく分けると3つの品種が存在し、栽培される地域ごとに味の特徴が異なるためより嗜好性の高い食材として注目度を高めています。

Happy St. Valentine’s day!

カカオは、紀元前2000年ごろから、中央アメリカやメキシコ南部で栽培されていたといいます。
古代では”神の食べ物”と崇められ、当時は、私たちが知っているチョコレートのような甘いお菓子に加工されていなく、カカオ豆を生のまま食べていたとのこと。

その後、原材料のカカオ豆の種子をすりつぶしたものに香辛料などを加えて作る、苦くて、とても飲みにくいお薬のようなものが作られ、これを飲むと元気になれたり、快活になる等、すばらしい薬効のある飲み物として人々に珍重され、当時は大変貴重なものになったそうです。

貴重すぎて、カカオ豆は『通貨』としても用いられていたとか。お金としての扱われていたとはすごいですね。

カカオ豆以外にも、カカオの花の香りは疲労を回復するとされ、お風呂に入れたり、発熱や動悸を和らげるためにカカオ豆やトウモロコシ、ハーブを混ぜて薬として食べたり、100以上の効用のある食べ方の記録が残っているでそうです。

19世紀のヨーロッパでは薬として薬剤師のいる店に置かれていたといたくらい、カカオ自体が当時の人々のより良い生活になるための「お薬」や「予防医療」の一環として利用されていたんですね。

現在では、甘いチョコレートから甘くないチョコレートまで、最近ではカカオ濃度を大きく記載した商品も多くあります。

昔は、主に健康増進剤、滋養強壮、疲労回復、無気力の改善、消化器関係などの効用薬として利用されていたカカオですが、カカオ自体にどのような効能があるのでしょう。
以下にカカオに含まれる栄養素とその効能について説明をしていきます。

1. カカオポリフェノール

古くからチョコレートが健康にいいと言われる最大の理由の一つとして、ポリフェノールの一種である「カカオポリフェノール」が含まれているからと言われています。
ポリフェノールは、活性酸素を抑える抗酸化物質の1種。
活性酸素は元々悪い影響を及ぼす細菌やウイルスからわたしたちの身を守ってくれる働きをしますが、増えすぎてしまうと健康体だった臓器や皮膚、骨といった部分に「サビ」を出す=酸化させてしまいます。
活性酸素は、肌のシワや疲れやすさなどを引き起こすため普段から意識的に増やさない生活を心掛けることが大切と言われています。この活性酸素を抑えてくれるポリフェノールです。
ポリフェノールは、赤ワインや緑茶にも含まれますが、カカオは赤ワインの2倍以上含んでいます。その他、胃潰瘍やアレルギーの予防、ストレス予防、美容界ではエイジングケアへの効果も注目されています。

2. テオブロミン

高カカオ濃度のチョコレートは苦く、スイーツというより、もはや薬のように感じられると思います。
この苦味成分が「テオブロミン」というもので、血管を拡張させて血流量を上げ、体温を上昇させる働きを持つと言われています。
また、脳内物質のセロトニンに働きかけて、食欲を抑え、リラックスさせる作用もあると期待されています。

3. リグニン

植物由来の成分で不溶性食物繊維の一つ。人の消化酵素では消化が行えない物質です。
水に溶けない成分のため、腸の蠕動(ぜんどう)運動をサポートします。また、腸内細菌を増やす役目もしているので、腸内の環境を整える効果もあります。
便秘の方にはうれしい栄養素です。

これ以外にも、カカオにはカルシウム、鉄分、マグネシウム、亜鉛などのミネラルがバランスよく含まれています。

現在もカカオを摂取したことで心身共に活動的になったり、善玉コレステロールが増加したり等、カカオの効果がカラダへどういった影響があるか世界中で様々な研究が行われています。

カカオの魅力は、私たちの生活の中でとてもうれしい働きをしてくれる健康や美容のサポート役として取り入れていきたいですね。

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栄養士・食育指導士・食の6次産業化プロデューサーlevel4
石原綾子

ヘルスケア分野での栄養指導、アグリビジネスのプロフェッショナル。
ミスワールド日本候補生に向けた講演会など、美や健康に特化した分野をフィールドに様々な活動を行なっている。

「食を通して心と身体を豊かにし、人と地域がつながる生き生きとした社会を実現する」を理念に掲げ2013年に、株式会社アイ・フィールドを設立、代表を務める。
各地域で野外レストランを開催する「DINING OUT」の食材TEAMや、ファッションブランドのプロジェクトに中心メンバーとして参画。
また、地域食材のPR、「健康」や「美容」に特化した商品開発プロデュース、ブランディング、コンセプト設計、食品衛生、販売促進プロモーション、研修企画運営等に携わっている。GRØNの商品開発では栄養面での監修を担当。消費者の健康に、より効果的に取り入れる方法を提案している。

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Photos by Moeko Sawada