食中毒菌を発生させないために気を付けたいこと 〜栄養士のColumn Vol.113
食中毒は年間を通して発生しますが、特に注意が必要なのが6月から9月の夏場です。
この時期は気温と湿度が高く、食中毒菌が繁殖しやすい環境に。
梅雨から夏にかけて、気温と湿度が上昇し、食中毒のリスクが一気に高まります。
以前のコラムでもご紹介していますが、改めてこの時期に気を付けたい食品管理や衛生方法についてご紹介します。
> 梅雨時に気を付けるべき、食品管理 〜栄養士のColumn Vol.66
食中毒菌が発生しやすい環境とは
食中毒菌の繁殖には、温度と湿度が大きく影響します。
■ 菌が繁殖しやすい温度帯
一般的に食中毒菌は30℃以上、特に35~40℃で最も繁殖が活発になります。
・サルモネラ菌:37℃
・O157:35~40℃
・黄色ブドウ球菌:30~37℃
・カンピロバクター:37℃
菌は温度が上がるにつれて、増殖速度も指数関数的に上昇します。
20℃で1時間かかる菌の増殖が、30℃では30分、40℃では10分で完了してしまいます。
■ 菌が繁殖しやすい湿度
湿度が高い環境は、菌にとって水分補給の場となります。
特に、70%以上の湿度になると菌の増殖が促進されます。
逆を言えば、乾燥した環境下で菌は水分を失い、死滅しやすくなります。
しかし、菌の中には乾燥に強い胞子をつくるものもあり、完全に死滅するわけではないので注意が必要です。
また、湿度が高い環境では、カビも発生しやすくなります。
カビは食中毒の原因となるだけでなく、呼吸器疾患などの健康被害も引き起こす可能性があります。
食中毒予防の三原則
では、食中毒菌を発生させないために気を付けることは何でしょうか。
食中毒予防の原則は、下記の3つになります。
「細菌をつけない(清潔、洗浄)」
「細菌を増やさない(迅速・冷却)」
「細菌をやっつける(加熱、殺菌)」
細菌をつけない(清潔、洗浄)
食中毒の原因となる細菌は、私たちの身近に潜んでいます。
調理前に必ず手を洗い、調理器具も清潔に保ちましょう。
生肉や魚介類を扱う際は、他の食材と接触させないように注意が必要です。
調理後はすぐに食べるように心がけましょう。
また、調理器具などを清潔に保つことも重要です。
菌は包丁やまな板などの調理器具にも付着します。
調理後はすぐに洗い、必要に応じてアルコールや熱湯消毒をしてください。
特にふきんやスポンジは菌の繁殖しやすい場所なので、清潔なものを使用し、定期的に交換することをお忘れなく。
細菌を増やさない(迅速・冷却)
食中毒菌は、温度が高くなるほど繁殖しやすくなりますので、食材の保管・管理が重要です。
特に、肉、魚介類、卵、乳製品などは傷みやすいので注意が必要です。
食材は、冷蔵庫 (4℃以下) または冷凍庫 (-15℃以下) で適切に保存し、調理後はすぐに食べるように心がけ、作り置きする場合はしっかりと冷却しましょう。
また、解凍した食材は、菌が繁殖しやすい状態なので、解凍後はすぐに調理しましょう。
賞味期限を確認し、賞味期限切れの食材は食べないようにしましょう。
細菌をやっつける(加熱、殺菌)
食中毒菌の多くは、加熱することで死滅します。
肉類は中心温度が70℃以上、鶏肉は75℃以上、卵は黄身が固まるまで十分に加熱しましょう。
野菜は流水でよく洗い、必要に応じて加熱しましょう。
小さなお子様や免疫力が下がっている方は、特に外食で生の食材を口にするのは避けた方が安心です。
GRØNの保管方法について
GRØNのプロテインブレンドやスープは乾燥したパウダーなので、適切に保管すれば食中毒菌に関して神経質になる必要はありません。
ただし、湿度が高い地域にお住まいの方や、湿気の多い梅雨から夏場にかけては、袋の空気を抜きチャックが閉まっていることを十分に確認して、冷蔵庫の中に入れて保管することをお勧めします。
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栄養士・食育指導士・食の6次産業化プロデューサーlevel4
石原綾子
ヘルスケア分野での栄養指導、アグリビジネスのプロフェッショナル。
ミスワールド日本候補生に向けた講演会など、美や健康に特化した分野をフィールドに様々な活動を行なっている。
「食を通して心と身体を豊かにし、人と地域がつながる生き生きとした社会を実現する」を理念に掲げ2013年に、株式会社アイ・フィールドを設立、代表を務める。
各地域で野外レストランを開催する「DINING OUT」の食材TEAMや、ファッションブランドのプロジェクトに中心メンバーとして参画。
また、地域食材のPR、「健康」や「美容」に特化した商品開発プロデュース、ブランディング、コンセプト設計、食品衛生、販売促進プロモーション、研修企画運営等に携わっている。GRØNの商品開発では栄養面での監修を担当。消費者の健康に、より効果的に取り入れる方法を提案している。
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